2003~2004年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作『爆竜戦隊アバレンジャー』20周年を記念したオリジナル作品『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』が現在劇場上映中だ。本作のためにオリジナルキャスト陣が再集結、シリーズのメインライターを務めた荒川稔久氏が脚本を、そして監督を『アバレンジャー』の大ファンだという木村ひさしが手がけ、大きな話題を呼んでいる。本作の公開を記念して、アバレッド/伯亜凌駕役の西興一朗、アバレブルー/三条幸人役の富田翔、アバレブラック/アスカ役の阿部薫、アバレキラー/仲代壬琴役の田中幸太朗という4人のキャストに20周年記念作品への想い、またシリーズ当時の思い出話などを語ってもらった。◆キャスト陣の熱意で企画されたアバレ20th!――まずは20周年おめでとうございます! まさか新作ができるとは!西 僕もまさかできるとは思ってなかったです、本当に!
田中 今取材を受けている段階では、まだ上映されるかどうかわからないですからね。
西 え! そうなの?
田中 壮大なドッキリかもしれない……。
――(笑)そもそもこの20周年作品は、どういう流れで企画されたのですか?西 ここからは、マジメにお話しますね(笑)。今回はキャスト陣から動き始めたんです。そのきっかけは……コロナ禍になってから、僕がYouTubeチャンネルを始めまして(
西興一朗の西遊記 )、2021年に(富田)翔くんにゲストとして来てもらったんですよ。その時に見てくれたファンの方から、「来年アバレンジャー19周年ですよ」というのを教えてもらいました。
「となると、再来年は20周年か……『アバレンジャー』で何かやる気あります?」みたいな話を2人でしてからキャスト陣に声をかけたら、みんなから「やる気がある」という返事が返ってきましたので、プロデューサーに声をかけ、ずっと打ち合わせを続けて……やっとゴーサインが出ました。
富田 そこからはもう、加速したよね。
西 脚本を荒川(稔久)さんがやってくれることになって、そのホン打ち(脚本を作るためにする打ち合わせ)から僕は入らせてもらいました。 脚本があがってきて、本当に『アバレンジャー』やスーパー戦隊のことをしっかり理解してくださっている荒川さんにやってもらえてよかったな、と思いました。
田中 本当に西くんが率先して、ずっと引っ張ってくれて。
西 いやいや、スタッフとキャストみんなで作り上げた作品ですよ!
◆アバレは“バカっぽさ”がなくちゃ!――本作は本当に、当時の『アバレンジャー』そのままのノリの作品ですね! 阿部 僕も、いろいろなスーパー戦隊の周年作品は観させてもらいましたけど、なかなかこんなノリのものはないですよね。
西 「当時よりもアバレたい」っていうのが、僕の認識としてありました。ぶっちゃけると、こういう作品で、やっていいこととやっちゃいけないことがあるとすれば、やっちゃいけないことをできるのは『アバレンジャー』だけだと思います!
全員 (笑)。
西 『アバレンジャー』として、“バカっぽい” ところは絶対になくちゃダメなんです。
阿部 それは必要ですよね。
田中 ……そんなとこ、あったっけ?
全員 (笑)。
富田 いやいや! ちゃんと観てますか?
田中 全編、シリアスモードじゃなかったっけ?
西 普通のスーパー戦隊はね、スーツの中でおしっこしないんだよ!
全員 (笑)。
田中 そうか。それは、乞うご期待ですね。
西 あのおしっこ作戦は何でああなったんだっけな?……まずはトリノイドから考えたのか。トリノイドの3つの要素の1つはアバレンジャーにしたい、とまず決めて、そこからアバレ+蓮華+ゲッコー(ヤモリ)でアバレンゲッコー…そうだ、アバレンゲッコーのネーミングは塚田さん(塚田英明プロデューサー)のアイデアです。そうだ、そこから蓮華には利尿作用がある……ということで、作戦が決まったんだ。
阿部 トリノイド、当時は毎週どんな3つの要素かというのはおもしろかったですね。
西 本当だよね。当時も塚田さんたちスタッフは、そういうくだらないバカなアイデアを出す会議を、1年間していたんでしょうね。
阿部 いやいや、プロの集団だよ。すごいよ。バクダンデライオンとか、シャークルマーガレットとか、アヤメガネズミとか……。
田中 よく覚えてるね! 俺、ヤツデンワニしか覚えてないや。
西 それはレギュラーになったから、みんな覚えてるよ!
阿部 トリノイド、けっこう好きなんですよ。
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