• 昭和レトロのかわいさ!『太田じろうの世界展』が東京2カ所で開催
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2023.06.15

昭和レトロのかわいさ!『太田じろうの世界展』が東京2カ所で開催

「こりすのぽっこちゃん」太田じろう

昭和中~後期に活躍したまんが家の太田じろう生誕100年を記念した原画展『太田じろうの世界展』が東京の2カ所で開催される。2023年6月から東京都江東区の江東区森下文化センター、2023年7月には秋葉原で開かれ、展示内容も異なる。

太田じろうは第二次大戦終戦後の昭和20年代半ば頃から少年誌や児童誌などで活躍したまんが家。1923年1月2日生、1982年3月29日没。しっかりとした画力と美しい色彩がとても魅力的で、現在ふたたび高い評価を受けている。
特に雑誌『こばと幼稚園』(集英社)で連載された『こりすのぽっこちゃん』は、擬人化された動物の愛くるしいキャラクターたちが爆発的な人気を博し、テレビでは人形劇も放送され、関連商品も多く発売された。
他にも『少年』(光文社)で『がんばれガン太』、『婦人生活』(婦人生活社)で『こぶたのぶうちゃん』などを発表。また晩年は、学研「まんが人物日本史」シリーズで伝記漫画『徳川吉宗』『西郷隆盛』『福沢諭吉』を執筆している。団塊の世代以降ではこれで太田じろうの名前を知った方も多いのではないだろうか。

太田じろうは一時期は忘れられた存在だったが、本展の主催であるダンクが貴重な原画を発見、2020年と2022年に秋葉原で原画展を行うことにより、その認知度を高めてきた。

今回は太田じろうの生誕100年を記念し、東京都の江東区森下文化センターと秋葉原フォーラム・ダンクで2つの原画展が開催される。どちらも入場無料。一部会期が重なっており、原画はすべて1点のみであるため、それぞれ別々の作品が展示される。

広いスペースを有する江東区森下文化センターでは、過去に展示されなかった原画も含め70点以上を展示。代表作『こりすのぽっこちゃん』をメインとした展示とともに、今回は『こりすのぽっこちゃん』をフルカラーでまとめた本の第1弾も登場する。

秋葉原フォーラム・ダンクでは過去開催の展示に加え、今年発見された幻の映像『人形劇 こりすのぽっこちゃん』も上映。より太田じろう作品を知ることができる。
『こりすのぽっこちゃん』書籍はこちらでも入手可能となる予定だ。

江東区森下文化センターでの展示は2023年6月24日(土)~7月17日(月・祝)。
秋葉原フォーラム・ダンクでの会期は2023年7月1日(土)~7月9日(日)。
7月1日~9日の間は、1日で両会場を回ることもできるだろう。

アメリカにはミッキーマウス達のディズニー作品や『ピーナッツ』のスヌーピー、ヨーロッパにはミッフィーやムーミン、日本にはハローキティを代表とするサンリオキャラクターと、かわいいファンシー系キャラクターは数多く存在する。
それらはそれぞれの生まれた国の文化に根ざしながらも、国境を越えた人気を得ている。国民性により好みの差はあるとしても、ほとんどの人類は「かわいい」ものが好きなのだ。
また最近はレトロなものに対する人気も高い。「平成レトロ」という言葉も一部では使われているが、令和の今と一線を画すレトロ感はやはり昭和の方が強い。現代に続く流れを宿しながら、江戸・明治・大正ほどの「歴史上の文化」感までは発生していない、という魅力が「昭和レトロ」にはある。

太田じろうの作品にはまさに「古き良き昭和レトロ」のかわいさが色濃く表れているものといえるだろう。アナログならではのタッチや色使いも時代性を強く感じさせる。

主催のダンクは「本当に『かわいい』キャラクターは時代を超えて色あせずに残るものだと確信しています。この機会に、ぜひともこの『かわいい』をご覧ください」とコメントしている。

森下と秋葉原で、日本の「かわいい」の原点の1つをご覧になっていただきたい。

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アニメージュプラス編集部

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