• 『崖の上のポニョ』〈17万枚の手描き動画〉が生み出す唯一無二の夢の世界
  • 『崖の上のポニョ』〈17万枚の手描き動画〉が生み出す唯一無二の夢の世界
2022.05.06

『崖の上のポニョ』〈17万枚の手描き動画〉が生み出す唯一無二の夢の世界

(C)2008 Studio Ghibli・NDHDMT

5月6日(金)夜21時より、日本テレビ系〈金曜ロードショー〉にて宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『崖の上のポニョ』が放送される。
アンデルセン童話『人魚姫』をモチーフとした、魚の女の子・ポニョと保育園児の宗介の交流の物語を、柔らかい絵柄の絵本のような世界観で描き出す本作。
劇場公開は2008年の夏。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌った主題歌が日本中で流れ続けたあの夏から、もう14年が経つのかと思うと時の流れの速さを感じざるを得ない。
だが、作品そのものは驚くほど古びていないどころか、今なお刺激に満ちた映画としてあり続けている。

『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』、『ハウルの動く城』とややハイターゲット向けの作品が続いた宮崎監督が久々に手掛けた子供向けの映画で、ストーリーもキャラクターも極めてシンプルだ。
だが実は、そんな一見シンプルな “絵本のような世界” にこそ、宮崎監督の驚嘆すべきこだわりが隠されている。
その“こだわり”に注目して観ることで『崖の上のポニョ』という作品の真価——ファンタジー世界で小さな子供たちを楽しませ、圧倒的な映像世界で大人たちも魅了するという底知れぬ力を感じることができる。

本作の作画監督・近藤勝也によれば、本作制作時にジブリ内には「本来のアニメの魅力の核は “手描き表現” にある、そこを外さずに原点に戻る」「みんなが電気で動く船に乗っている中、自分たちは帆船で」がテーマになっていたという。
本作公開当時はすでにTVアニメ、劇場アニメに限らずCG等を取り入れた作品がスタンダードとなっていた。
CGの導入によってアニメの作業は効率化され、また、表現の幅も広がった。それは大きな進歩である。
しかし、“手で絵を描いて動かす” という手法にもまた、そこにしかない独特の味わいがある。
その味わいを大事にしたいーーだから、『ポニョ』ではCGは一切、使われていない。

(C)2008 Studio Ghibli・NDHDMT

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事