●愛すべき家族たち●その上で、そんな本作がなぜそれほど多くのファンに支持されるのかといえばーーそれは間違いなくフォジャー家の3人、ロイド、アーニャ、ヨルがそれぞれに、非常に魅力的だからにほかならない。
ロイドは敏腕スパイで時に非情な顔を見せる(その際の描写に容赦ないというのも、この作品の重要なアクセント)が、ベースの部分にはある種の「正義感」や「使命感」をしっかりと抱いている。
また、家族に関することとなると冷静さを失ってムキになってしまったり、家族の前ではなぜか気が緩んでしまったりといった意外な面も見せ、そんな自分に彼自身が驚き、戸惑ったりもする。
ヨルは普段はおっとりとした性格で、少し天然ボケの面もあるが、大人しくて優しい女性。
だが殺し屋 “いばら姫” としての顔は冷酷非情で冷静沈着、身体能力や武器を扱う技術も圧倒的に高い。
アーニャの身に危険が及ぶと、そんな「裏の顔」がうっかり顔を出してしまうこともある。
そしてアーニャは、無邪気で好奇心旺盛。
自分の能力を隠しながらロイドの仕事を手助けしようとする健気さもある。
何よりロイドを「ちち」、ヨルを「はは」と呼んで懐き、二人と離れたくないと願う姿は愛らしく、ロイドやヨルでなくても「この子を守りたい」という気持ちが生まれてくる。
3人の姿、3人の関係、2人が見せてくれる “家族” の姿。
そこにこの作品の魅力を読み解く鍵がある。
秘密だらけなのに、どこかで本当の家族以上にわかりあい、互いを支え合う家族。
そんな彼らを応援するような気持ちで見守り、その行く末に一喜一憂し、時にはスリリングな事件に興奮しながら、ほのぼのとほほえましいホームドラマを楽しむのが、『SPY×FAMILY』にハマる入り口だ。
4月9日に放送された第1話ではロイドとアーニャの出会いが描かれ、4月16日放送の第2話ではヨルが登場。
フォージャー家の物語はまだ始まったばかりだ。
>>>第2話の場面カットはこちら!(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会