■来てくれた人は一人残らずハッピーにして帰したい
ーーそしてラストの「春は待っている」は、少し後ろ髪を引かれながら、でも前を向いているような切なさを感じました。
寺西:この曲は、『ナガレボシトレイン』の締め曲という意識で作ったんです。最初に『銀河鉄道999』をイメージしたとお話した通り、アルバムを通して旅感があるなと思っていて。アルバムは最後の曲だけど旅はまだまだ続くみたいな、車窓から見る星々や銀河系、そういう広大な景色を想像しながら作りました。
幹葉:寺くんから、「これをラストの曲にしたい」と聞いていたので、11曲聴いた後の12曲目は、ほっこりした気持ちになれる曲にしたいと思って歌詞を書きました。あと、終わりだけど始まりみたいな、希望を見いだす感じで終えたかったので、「春は待っている」というタイトルにしました。
後ろ髪を引かれるとおっしゃっていただいたんですけど、実際に制作の時は、過去のことを思い出していたんです。デビューして上京した時は、夢と希望に溢れていたけど、現実はそんなに上手くいかないこともあって。そうやって過去を振り返った時に、最初に想い描いていた未来にはまだ辿り着けていなくて、「ウ〜ッ」ってなって自分を責めたくなる気持ちもあるんですけど、辿り着けていない不完全な自分たちだからこそ、さえチとかJazzin’parkさんなど協力してくれる人がいっぱいいて。それは誇るべきことなんじゃないかと思って、そういうみんなへの感謝の気持ちを込めながら作りました。
ますだ:本当に、アルバムの最後を締めくくるのに相応しい曲だなと思います。アルバムを最初から最後まで通して聴いた時に、最後にこの曲があることで、すごく締まったなと思いました。そしてまた1曲目から聴きたくなる気持ちにさせてくれる曲です。
幹葉:今まで聴いて来た曲たちの余韻に浸りながら、聴いてもらえるんじゃないかと思います。
ーー先ほど過去のことを思い出しながら作ったと言っていましたが、スピスピとしての春の思い出は何かありますか?
幹葉:上京する前に、みんなで花見をしたことを、今思い出しました。
ますだ:大阪城公園に桜がいっぱい咲くところがあって、みんなでお弁当を作って持って行ったんです。
寺西:だし巻き卵を焼いた記憶があります。
幹葉:おにぎりも作って詰めたよな。みんなで集まって作ったんですよね。今年は、そんなほのぼのとした時間を過ごせるようになったらいいですね。
ーーしかし、皆さんはほのぼのしている場合ではありません。4月からツアー『スピスピと燦々輝こう!~ナガレボシトレインに乗って~』がスタートします。どんなライブにしたいですか?
ますだ:新しい曲が増えたので、新しいスピスピをお客さんに届けつつ、来てくれた人をひとり残らず楽しんで満足して帰っていただけるようなライブにしたいですね。
ーースピスピのライブを初めて観る人も多いでしょうね。
幹葉:でも、今の状況もあって、ライブに行くこと自体のハードルが高くなっていて、しかもワンマンライブは、本当に好きじゃないと行かないと思うし。だからこそ、来てくれた人は一人残らずハッピーにして帰したいと思います。
寺西:1stアルバム『ポップ・ステップ・ジャンプ!』は自分たちの自己紹介的な意味合いが強かったんですけど、2ndアルバム『ナガレボシトレイン』は、自分たちがやりたいことやいろんな音楽ジャンルの曲をやることができて、表現の幅を広げることもできました。きっとライブも見せ方や演出の幅が、グッと広がったものになると思います。今までのライブを観に来てくださった方でも、今までとは違った刺激をたくさん感じてもらえると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
ーー果たしてサークルモッシュは起きるのか?
幹葉:今はご時世的に難しいので、今回は一旦、各自その場でクルクル回ってもらおうかと思っています。
寺西:回転寿司じゃなくなってるけど(笑)。