• 『明日ちゃんのセーラー服』はなぜ “作画がいい” のか?
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2022.02.05

『明日ちゃんのセーラー服』はなぜ “作画がいい” のか?

(C)博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会


『明日ちゃんのセーラー服』で、そうした作画の魅力がなぜ重要なのか?
その理由のひとつは “原作” だ。

『明日ちゃんのセーラー服』は、博(ひろ)がWEBサイト『となりのヤングジャンプ』で連載中のWEBコミックが原作。
この “WEBコミック” であるという点が、とても重要だ。
先ほどあげたアクロバットのシーンは、原作の “プロローグ” で何と1ページにつき1ポーズずつ、18ページにもわたって描かれている。セーラー服を着るシーンも、その動きに18コマを費やしている。
これは、ページ数が比較的自由なWEBコミックだからこそできる描写で、ページに限りがある雑誌連載では、不可能とは言わないまでも相当に困難だろう。

原作の連載開始は2016年で、京都アニメーションなどの功績により “日常描写” の重要性や魅力がすでに注目を集めていた時期だ。
京都アニメーションの “日常描写” 、そしてささいな仕草へのこだわりは、アニメーションのキャラクターに生命力や活力といった生々しい存在感を与え、記号を超えた肉感的魅力さえ醸し出して多くのファンに支持され、その後のアニメ作品に大きな影響を与えた。
博による原作の描写はそうした “仕草” へのこだわり、しかも “動き” で存在感を感じさせることへのこだわりという点で同様の方向性を感じる。
動きを感じさせることで、登場するキャラクターたちの存在感を生々しく伝える。
そして、セリフやストーリー以外の部分でもキャラクターたちに読者を惹きつけ、共感を呼び起こし、応援したいという気持ちにさせる。
原作はそうした “動き=アニメーション” 的な魅力を内包していた。
そして、それを実際にアニメーションで表現してみせたのが、放送中のアニメ版なのだ。

そういう意味でも「『明日ちゃんのセーラー服』は “作画がいい” 」のだ。
そして、“作画がいい” ということは『明日ちゃんのセーラー服』という作品の本質と、しっかりとつながっている。

(C)博/集英社・「明日ちゃんのセーラー服」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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