――今回はMVも攻めたものになっていますね。
高槻 結構世界観が独特というか。衣装も個性的で面白かったです。
――どんなコンセプトで作られたのでしょうか?
高槻 監督がストーリーを考えてくださったのですが、中心にはいつも私がいて、周りが徐々に変わっていって、最終的には私もアップデートされるというイメージです。
――途中で赤い卵も出てきましたね。
高槻 卵の意味に関しては、その後鳩が飛ぶシーンがあるので、殻を破るという意味があるのかなと私なりに解釈しています。
――歌いながら体を動かす場面もありましたね。
高槻 これは当日、ダンサーさんの振り付けを見ながら自分でクリエイティブして付けていきました。
――その場で対応したんですね。
高槻 そうなんです。ただ結構難しくて。でも良いものになるようにと空き時間も頑張った結果、何とかなって良かったです(笑)。
――動きを付ける上で意識したことは?
高槻 世界観の流れがあると思うので、最初はあまり動かずにクールな感じでいて、白い衣装にチェンジしてからは、「アップデートされた私を見て」という感じで、自信のある表情と動きを心掛けました。
――MVはダークな色合いでしたが、ジャケット写真はお花と一緒で華やかなものに。
高槻 ジャケ写は『Anti world』の時と同じデザインチームに作っていただきました。ピンクの世界観とかテンションが上がりますよね。お花がいっぱいなのも、定期的にお花が届くサービスを利用しているくらいお花が好きなので嬉しかったです。撮影前日に衣装合わせがあったのですが、その際に世界観や衣装がピンク色になると知り、その足で美容室に行って、ピンクに合うだろうと紫色のこの髪型にしました(笑)。
――バッチリハマっています。衣装も着こなすのが難しそうですが、とてもお似合いで。
高槻 この衣装、本当はビックシルエットのストンとした形のワンピースなのですが、花瓶型にしたいというテーマがあって、紐を使ってたるませることで、花瓶に見えるようにしてあるんです。
――花瓶ということは高槻さんがお花というイメージなのですかね?
高槻 『Anti world』の時からお花が出てきているので、命を表現するのにお花を使っているのかなと思っています。ピンクの衣装とは別に緑色の衣装でも撮影したのですが、こちらも花瓶型にスタイリングしています。ブックレットの方に写っていると思いますので、是非確認していただければ。
――今回のシングルにはカップリング曲も2曲収録されていますが、作詞をされた『金魚』は歌詞が意味深だなと。
高槻 私が金魚専門の水族館に行った時に、ちょっと憂鬱さを感じた経験を基に書きました。周りの人はみんな自撮りしたりと楽しんでいるのに、私は綺麗だなと思うよりも、心にずしんと重く残るものがあって……。なので、歌詞ももし自分があの水槽に入ったらという気持ちで書きました。
――「前にしか進めない金魚だから」など歌詞が刺さりました。
高槻 自分の気持ちが入っています。たまには頑張らないで、「自分は自分だ」ってもっとわがままになっていいよねと問いかけています。色々な人に歌詞と自分を重ねてほしいですね。