歌手のシェリナ・ムナフさん、作品の感想、そして宮崎吾朗監督との仕事について語る、『アーヤと魔女』武部聡志さんインタビュー後編。ロックサウンドとジブリアニメの融合はいかなるものか、期待は高まるばかりだ。
――歌のボーカルは、インドネシアのシンガーソングライター・俳優のシェリナ・ムナフさんが務めていらっしゃいますね。
武部 そうです。日本まで来ていただいての録音だったのですが、日本語も達者な気さくで素晴らしい方でした。
――吾朗監督と武部さんのお二人で、彼女にディレクションしたそうですが。
武部 はい。僕は歌入れの時の音楽的な部分、吾朗監督は「歌詞をもっとわかるように発音してほしい」「こういう表情で歌ってほしい」みたいな、キャラクターやストーリーに寄ったディレクションをしていました。
――吾朗監督のディレクションは、どちらかというと演技指導みたいですね。
武部 そうですね、歌も演技のひとつだ、という感じで。確かに声優さんに指示するのと同じような感覚でディレクションしていたと思います。
――ボーカリストとしてのシェリナさんはいかがでしたか。
武部 こちらが要求することを短時間でぱっとすぐに表現できる、音楽的な勘がいい人だなっていうのが第一印象でしたね。発音を直す部分もありましたが、日本語でちゃんと歌ってくれて、ピッチも素晴らしくよかった。
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