鈴木 広報資料のコメントにも書いたんですが、何で吾朗君はこの企画(「アーヤと魔女」)を気に入ったのか――これは僕の推測ですけど、アーヤって吾朗君そのものなんです。というのも吾朗君はあまり性格がよくない、意地悪なんですよね。
――そんなこと、記事に書けないじゃないですか(苦笑)。鈴木 何言ってるの、書けばいいじゃない(笑)。だけど、その一方で吾朗君は、スタッフに「アーヤっていう女の子は、多分鈴木さんだ」と説明していて、しかも僕の知らない間にスタッフが僕の娘に取材して作品の参考にしたって後で聞いたんですよ(笑)。
――お互いに「あっちがモデル」と言い合っている感じなんですね(笑)。吾朗監督のいる制作現場には、鈴木さんも顔を出されたりしていましたか。鈴木 ええ、出していましたよ。今回のスタッフを見て、僕は昔のジブリを思い出しました。
――現場に若いエネルギーを感じた、ということですか。鈴木 そう。CGのスタッフは平均30歳前後でした。うちで仕事をしている手描きのアニメーターたちよりも断然若いです。しかも、今回は(アニメーションディレクターの)タン セリ君を慕って世界中からいろいろな人が集まってきたんですよ。CGの世界って国境を越えるんですよね。僕らみたいな手描きの世界では、そういうことはついぞ経験したことがなくて驚きました。
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※このインタビュー完全版は、『ROMAN ALBUMアーヤと魔女』に掲載されます。