• 【今夜最終回!】『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』岸本卓(シリーズ構成・脚本)インタビュー
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2020.09.24

【今夜最終回!】『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』岸本卓(シリーズ構成・脚本)インタビュー

(c)筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥


加藤春の素顔

ーー加藤のキャラクター像はどのように作っていったのでしょうか?

岸本 まずは大助のキャラクターありきで、加藤をどういう人間にすれば大助との対比がより効果的になるかということから考えました。大助が、悪気があるわけじゃないけど冷酷にも見える男となると、やっぱり加藤は人情的な男であるべきだろうと。大助が私的な復讐のために刑事をやっているのであれば、加藤は公の「正義」のために刑事をやっているべきだろうと。二人の性格も志も違えば、そりゃぶつかりやすいですよね。そして、ぶつかりやすければぶつかりやすいほど、関係が深まったときにカタルシスも生まれやすい。そんな感じで、大助からの逆算で加藤を作っていきました。

——加藤自身の「正義」への思いや、過去のトラウマなどの肉付けの部分は?

岸本 出発点は大助からの逆算とはいえ、「じゃあ、加藤はシリーズを通してどんな成長をするのだろう?」という話にもなって。そこは僕個人というよりも、みんなの意見でしたね。過去の事件がきっかけで銃が撃てなくなった、そのトラウマをどう乗り越えるのか——というドラマは、議論の中で決まっていった気がします。やはり何らかの変化があったほうがドラマが面白くなるというか……変化こそがドラマですからね。

——加藤のドラマという点では、星野との関係も重要だと思います。

岸本 そうですね。加藤は加藤でドラマの軸があるとすると、それは人間関係として表現されます。そこを担うのが、武井や星野。特に星野に関しては、加藤が下(の立場の者)から突き上げられたほうが面白いし、“誰かの先輩としての加藤” という視点を通せばトラウマを描きやすいんじゃないかというのもありました。もともと加藤を慕っていた後輩である星野がいて、加藤には裏切られたと思っている。尊敬する先輩だったのに、今はいじけて自暴自棄になっているように見えるし、忸怩たる思いを抱えつつ、わざと加藤に突っかかってみたりもする。加藤と星野の今後にも注目していただきたいです。

(c)筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

アニメージュプラス編集部

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