アップアップガールズ(2)鍛治島彩が語る、新曲「どのみちハッピー！」と大好きな音楽のこと《前編》

■アプガ(2)のあたたかくて頼れるメンバーたち

ーー新曲を作曲をしていることをメンバーには、いつ伝えたんですか？

鍛治島　今年のツアーが始まってたと思うので、2月に入ってからですね。メンバーに言うタイミングを、完全に逃していまして（笑）。歌ってもらわなきゃいけないので、早く伝えなきゃと思いつつ。一番最初に、まーちゃん（吉川茉優）に言いましたね。帰りがいっしょになった時に「曲を作ってて…それを千葉の凱旋でやろうと思ってるんだけど、どうかな」とボソッと言ったんです。そうしたら「えっ、すごくない？　めっちゃいいじゃん」って言ってくれて。

ーーまーちゃんらしい反応ですね（笑）。

鍛治島　（笑）。それに後押ししてもらって、「やろう！」って決心できました。そのあとは、メンバーごとに言うタイミングができて個人で伝えられるメンバーには伝えて。最終的には、ツアーのリハーサルで全員スタジオに集まって準備している時に、正式に伝えました。ゆりちゃん（島崎友莉亜）が、「え！　かじぃさん曲作ってるんですか!?」って、なかなか聞かない大きな声で反応してくれたのは覚えています（笑）。メンバーみんな喜んでくれて、楽しみにしてくれたのがすごく嬉しかったです。みんな、いいやつって（笑）。これからレコーディングとか大変なのに。あたたかいですよね、アプガ(2)って。

ーーそれで、レコーディングに臨んだというわけですね。

鍛治島　レコーディングはもう先に歌割りが決まっていて。鍛治島の願望で入れた、高音パートだったりとか、リズムの難しい部分とかがしんどかったらどうしようって、それは個別にレコーディングあとに「どうだったここ？　ライブでできそう？」とか聞きましたね、不安で（笑）。それで、完成した音源を聴いたら、私が不安だったところとかメンバーはもう、ひょいと乗り越えてくれていて！　もう思っていた倍以上のクオリティであげてくれて！　もう、全員頼もしいなぁ～って!!　

ーーそれで振り付けは、ちなっちゃん（高萩千夏）が担当してくれたんですね。

鍛治島　柏公演が中止になって、振りつけはしていなかったんですよ。それで自粛期間に入ったので、MＶを作るということになって、高萩千夏先生が、すべてリモートで振りつけしてくれました！　リモートで先生がひとりひとりに個別指導するという。

ーーそれもすごいですね。大変だったんじゃないでしょうか？

鍛治島　まずは千夏の踊った振り付けの動画が送られてきて、それをメンバーそれぞれがおうちで覚えました。それで踊った動画を撮影して千夏に送って、リモートで個別に修正をしてもらうという流れでした。そんなだったんですけど、わたし、ぜんぜん覚えられなくって！　もともと、アプガ(2)に入ったときから振り付けを覚えるのは苦手なんですけれども、本当に映像だけだと覚えられないんですよ。これまではスタジオでみんなといっしょに踊ってなんとかしてたんですけど（笑）。千夏先生には、時間を取って教えてもらいました。先生すいません、わたしの曲なのにって（笑）。

ーーそれで、MＶ撮影をしたんですよね。

鍛治島　今回のMＶは、これまでにない新しいものになっています。おうちで自分たちが好きなように撮影して、それを集めて1本のMＶになりました。



鍛治島　いや～、観てもらった人はわかりますが、アプガ(2)は変な人ばっかりですわ！　もうおもしろすぎて！　どんな映像を撮るとか相談なんかせずに、みんな勝手に撮ってますからね。勝負だと思ってますから、相談なんかしないんですよ（笑）。

ーーほかのメンバーとの勝負なんですね（笑）。

鍛治島　ＭＶに使われないと、意味ないですからね。鍛治島、もっといっぱい撮ったんですけどね。ぜんぜん使われてないですよ！　セリフのところとか、わざわざ外で撮ったバージョンもあったんですよ！　走りながら撮ったんです。いやー、絶対おもしろかったんですけどね、今回はおうちということだから、ボツだったんですかね？　バックについてきてくれた母親も映ってたんですよ。あー、だから使われないのかー（笑）。

ーー（笑）。本当に、メンバーの個性が炸裂していますよね！

鍛治島　それぞれの性格とかキャラがよく出てますよね！　それに、自粛期間でヒマなんだろうなっていうのが伝わってきました（笑）。

ーーバックとかを見ても、ちゃんと白い壁で撮ってるメンバーもいれば、棚とかコートとか映ってるメンバーもいれば、ちゃんと小物を準備しているメンバーも。まーちゃんなんかカラーボード買ってきて壁に貼ってるという。まーちゃんは、完ぺき主義だなと思いました。

鍛治島　本当ですよね！　まーちゃん、一番悩んでたんですよ「ヤバい！　撮る場所がない！　ない！　ない！」って！　でも、一番クオリティが高いのがあがってきてて（笑）。

ーーまーちゃんは、なんとみずからが監督、編集したソロバージョンも公開されました！　アイドル好きなだけあって、ツボを心得たカット割りのいい出来ですよね。



鍛治島　吉川パイセン、流石です。とにかくメンバーの個性がめっちゃおもしろいので、それぞれのメンバーの細かいところまで見て欲しいですね。自粛期間だったからこそ出来た、レアなＭＶになっています。小窓になってるメンバーとかも、ちゃんと見てください。メインで歌ってる左下で、めっちゃふざけたりしてますから！　あ、あとほーちゃん（佐々木ほのか）の鼻リコーダーだけは、許しませんけど。鼻リコーダーの座は、絶対に渡しません！

ーー本当は柏公演のステージで公開予定でしたけれども、こういう形で公開できて、ものすごくよかったのではないでしょうか？

鍛治島　ステージで「鍛治島が、作曲したんですーっ!!」って発表したかったんですけど、なんかそれよりも、大きなものを得ることが出来た気がします。ＭＶもこういう状況じゃなかったら作られてなかったでしょうし。ライブでやる曲で、ＭＶはなかったかもしれないですからね！　もちろん柏公演がなくなって、悔しすぎて、おかしくなりそうだったんですけれども、本当に “どのみちハッピ－！” だなって思いました。自粛期間で我慢しているみなさんに明るい歌が届けられて、みなさんも喜んでくれて。こんな状況に公開するなんて思っていなかったのに、なにもかも繋がっている感じがしました。勇気を出して、曲を作ってよかったなって思いました。いまはもう、本当に幸せです。

ーー柏公演では、ほかにもなにかやろうとしてたんですよね？

鍛治島　そうです！　ほかの内容もほぼ決まっていて、めっちゃ気合い入っていたんです！　それだけに、延期が決まったときは2日間ぐらい落ち込んでいましたけれども（笑）。絶対にみなさんの前でお見せ出来る日が来ると思うので、「覚悟しとけ！」って感じです（笑）。