アニメ『俺だけレベルアップな件』が2024年1月より放送スタート! 小説・WEBTOONと幅広いメディアで展開される本作は、「人類最弱兵器」と呼ばれていた青年・水篠旬が自身の能力を向上させる術を身につけ、高みへと駆け上がっていく姿が描かれる。本作のオープニング主題歌・音楽を担当するのは、SawanoHiroyuki[nZk]の活動でも知られる澤野弘之さん。インタビュー後編となる本稿は、劇伴制作のコンセプトと制作秘話について話をうかがった(全2回)。――今作では先に劇伴の制作依頼があったとお聞きしました。作品の第一印象はいかがでしたか?澤野 「かっこいい!」というのが第一印象ですね。最初はコミックスで本作を読ませていただいたのですが、絵と世界観がとにかくクールでカッコ良かったですね。加えて、物語の中に登場する人々の格差には、今の世相が反映されていると感じました。
――原作を読みながら音楽が思いつく、ということはあったりするのでしょうか。澤野 本作に限らずですが、原作を読んでいる段階で音楽を思いつくことはないんです。なので普通の読者と同じように、純粋に作品を楽しみました。どういった楽曲を制作するかは、監督や音響監督と打ち合わせをしながら考えていった感じです。
――打ち合わせでは、どういったお話をしたのでしょうか?澤野 音楽メニュー(劇伴担当者に渡される制作する音楽のリスト)をいただき、それに沿ってどういった楽曲を制作するかをディスカッションしたのですが、全体のコンセプトについては細かいオーダーはなかったんです。これは僕が普段作っている音楽のテイストを多少理解していただいた上でのオファーだと感じ、これまでに培ったものを素直にぶつけるのがいいと考えていました。
――では、澤野さん自身の中にはどんなコンセプトがありましたか。澤野 オープニング主題歌と同じく、劇伴においても海外のサウンドを意識したものにしようと考えていました。僕自身、ハリウッド映画の劇伴に影響を受けながら楽曲制作をしているので、そこを追求できればいいのではないかなと。
――日本とハリウッドの劇伴には、それぞれどういった違いがあるんでしょうか。澤野 日本の劇伴は情緒的でメロディアスな曲が多く、対してハリウッド映画の劇伴は大きくメロディをとったりサウンドで聴かせるような曲が多いように感じています。
(C)Solo Leveling Animation Partners