• 『ガメラ3 邪神覚醒』が孕んだ『エヴァ』と共鳴する世紀末の空気【日曜アニメ劇場】
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2023.03.04

『ガメラ3 邪神覚醒』が孕んだ『エヴァ』と共鳴する世紀末の空気【日曜アニメ劇場】

(C)KADOKAWA 徳間書店 日本テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ 日販/1999

1月から特別編として〈平成ガメラ〉三部作をピックアップしているBS12トゥエルビ〈日曜アニメ劇場〉。3月5日(日)19時からは、1999年公開の第3作『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(4Kデジタル修復版)が放送される。
怪獣特撮映画のリアルを追求した〈平成ガメラ〉の到達点とも言うべき本作には、20世紀末の日本の “空気” も濃厚に記録されている。

第1作『ガメラ 大怪獣空中決戦』、第2作『ガメラ2 レギオン襲来』同様に、監督・金子修介+脚本・伊藤和典+特技監督・樋口真嗣のメインスタッフ陣が手がけた本作は、前2作で描かれた出来事と深く関連したストーリーが描かれ、これまでに登場した主要人物たちも再登場するシリーズ完結編である。
ハードなSFタッチで迫った前作から一転、さらなる怪獣映画の革新を目指した本作はさらなるリアリティを追求、遂には “怪獣の襲撃で犠牲になる大量な一般市民” の描写にまで踏み込み、前2作以上にシビアでシリアスな作品に仕上がっている。

ガメラとギャオスの戦いから4年、世界各地でギャオスが大量発生し、その被害が急速に拡大するという異常事態が起こっていた。
かつてギャオスを発見した鳥類学者・長峰真弓(中山忍)は、災禍を食い止めるためその生態研究を進めていたが、謎は深まるばかりだった。
一方、ガメラとギャオスの戦いで両親を失った中学生・比良坂綾奈(前田愛)は、その心の傷を癒やすことができないままガメラに激しい憎悪を抱き、周囲の人々にも心を閉ざしていた。
ある日、綾奈は人々から忌避される〈杜の沢〉の祠で奇妙な卵状の物体を発見する。そこから誕生した不思議な生物を綾奈は “イリス” と名付け、密かに育て始める。いつかイリスが、両親の仇・ガメラを倒してくれることを願いながら――。

一方、東京・渋谷で発生したガメラとギャオスの大激闘が引き起こしたを惨事をきっかけに、政府や世論はギャオス以上にガメラを危険視するようになる。かつてガメラと心を通わせた少女・草薙浅黄(藤谷文子)は、政府の「巨大生物被害対策審議会」に招集された長峰の元を訪れ、ギャオスの大量発生はガメラとレギオンの戦いで自然界のバランスが崩れた結果かもしれない、と語る。
長峰、浅黄、そして元刑事の大迫(蛍雪次郎)は、共にギャオスの変異体らしき怪生物が現れた奈良の小さな村に向かう。しかし、一行が到着すると村はほぼ全滅状態、体液を吸い出された不気味な死骸が散乱していた。
そこは、親戚に引き取られた綾奈が暮らしていた村だった……。

(C)KADOKAWA 徳間書店 日本テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ 日販/1999

アニメージュプラス編集部

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