ハヤケンによるHJ文庫の人気シリーズ『英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~』がファン待望のTVアニメ化、現在好評放送中だ。巨大な王国を打ち立てたのち、「自由に生きて、武の道を極めたい」と願いながら天に召された英雄王イングリスが転生したのは、騎士の名家の「娘」だった?! 最強の美少女騎士見習いとなるイングリス・ユークス(クリス)役・鬼頭明里さんに作品の魅力、そしてイングリスを演じる難しさと楽しさを語ってもらいました!▲イングリス・ユークス役を演じる鬼頭明里さん
──まず原作小説・コミックからどんな印象を抱きましたか。鬼頭 偉大なお爺さんが美少女に転生するっていうのがまず驚きでしたし、面白いなって思いました。しかも転生前の高い能力を引き継いだまま、さらに武を極めようとするという、全てが斜め上みたいな設定や展開がメチャメチャ楽しい作品だと思いました。
──主人公・イングリスが本作一番の魅力というわけですね。鬼頭 可愛くて強いって、まさに最強ですよね(笑)。前世で国を守るために使っていた力を、今世では「武を極めるために強い敵と戦いたい」という欲望のために使うんですね。どんな状況でも常に強い敵を求めてワクワクしているのが面白いですし、どんな敵でも明るく爽やかに倒してくれそうな頼もしさがあります。
─―では、イングリスを演じる際にどんなことを意識されましたか。鬼頭 だいぶ前に原作のPVやミニアニメで一度イングリスを演じさせてもらったことがあったので、「変わっちゃった」って言われないようにと思いながら演じさせていただきました。アフレコでは、1話がとにかく忙しかったっていうのがあって(笑)。赤ちゃんからちょっとずつ成長していく度に演技を変えていったので、いろんな役を演じている感覚がありました。私は幅広い役を演じたくて声優という仕事を選んだので、一つの作品でそれが出来てすごく楽しかったです。
──なるほど、言われてみれば美少女の中身は英雄という非常に複雑なキャラクターでもありますからね。鬼頭 はい、転生直後の赤ちゃんの時のモノローグではイングリスの威厳が出せたらいいなと思っていたので、最初は声を低めに、英雄王として生きてきた男性という意識を持ちながら演じさせもらいました。
でも女の子として成長していくにつれて中身もだんだん肉体に寄っていくところもあって、セリフも無骨な口調からどんどん柔らかくなっていきましたので、それに合わせて女の子っぽい感じに雰囲気を変化させていくようにしました。
──成長に併せての演技の変化というのも大変ですよね。鬼頭 特に1・2話では年齢が少しずつ上がっていく感じで、その度に微妙な年齢差を演じ分ける必要がありましたから。年齢が上がる度に「ここでは●歳です」、(鬼頭さんの演技に)「微妙に年取ってます」とディレクションされるたびに「ムズっ!」と思って(笑)。
アフレコでは別録りなどせず、そのまま収録することが多かったので、気持ちの切り替えが毎回すごく大変でした。しかも会話のテンポがすごく良い作品なので、演じていてとてもせわしなかったです(笑)
──赤ん坊の時は、転生前のイングリスを演じた麦人さんの演技なども参考にされたりしたのでしょうか。鬼頭 さすがにそのままはちょっと無理ですが(笑)、その威厳ある演技や雰囲気についてはちゃんと取り入れないといけないなと思いました。あと亡くなる直前の老王ではなく、若々しい全盛期の英雄王のイメージを意識しました。
戦闘シーンではそこまで焦ったり泥臭い感じの芝居ではなく、「なかなかやるねぇ」みたいな気持ちで演じてます。
(C)ハヤケン・ホビージャパン/『英雄王、武を極めるため転生す』製作委員会