• 『進撃の巨人』に影響を受けたサブカル愛を映画『MEN』監督が熱弁
  • 『進撃の巨人』に影響を受けたサブカル愛を映画『MEN』監督が熱弁
2022.12.06

『進撃の巨人』に影響を受けたサブカル愛を映画『MEN』監督が熱弁

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12月9日(金)から公開される映画『MEN同じ顔の男たち』のアレックス・ガーランド監督が、お気に入りの日本アニメや好きな漫画、ゲームについて語った。

『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』を手掛け、クオリティの高い映画製作に定評のあるアメリカの配給会社「A24」とSFスリラー『エクス・マキナ』でアカデミー賞(R)視覚効果賞を受賞したアレックス・ガーランド監督が究極のタッグを組んだ映画『MEN同じ顔の男たち』。特にラストへと展開する怒涛の20分は永遠のトラウマになると言われている。

本作の制作において、諫山創漫画原作の日本アニメ『進撃の巨人』に影響を得ていたと明かしているアレックス・ガーランド監督。娘の勧めで見てみたたところ衝撃を受けたという。実は、日本の漫画・アニメやゲーム等が大好きという監督が、日本のサブカルチャーへの愛や創造性への想いを熱く語り尽くすインタビューが到着した!

「日本の作品はとても洗練されているんです。技巧のレベルが非常に高く、(いい意味で)挑発的で、欧米でよく用いる物語を構築する時の定型的なフォーミュラ(方程式)なんか気に留めていない。少なくとも僕にはそう見えます。欧米の作品は同じストーリーがまるで童謡のように何度も何度も繰り返されているように思える。観客もまた、聴きなれた童謡を聴くことで安心してしまっているような感じがします。もし私が日本人で、日本文化の中で育ってきたなら、アニメや漫画にもっとある種のフォーミュラを見出すことができるのかもしれない。でも、スタジオ・ジブリの作品を見ても、そんなフォーミュラがあるとは思えません。そこにあるのは尽きぬ発想、発明、職人技、創造性です」と語る。

そんな監督が好きな作品を尋ねると、「漫画だと、ド定番ではありますが『AKIRA』はやはり傑作ですね。それから『裸足のゲン』もすばらしかった。アニメは最近娘のおかげで観た『ワンダーエッグ・プライオリティ』がなかなか面白かったです。意外性があって、とても興味深い作品でした。でも、一番好きなのは、と訊かれたらやはりスタジオ・ジブリ作品ですね。(英語圏でない人が)ピクサーというのと同じぐらいありきたりというか、これまた定番だとは思いますが、それだけ有名で、存在が大きい。それに『千と千尋の神隠し』はまちがいなく僕の人生の10本に入っているんですよ」と明かした。

また、アニメや漫画だけでなくゲームも嗜んでいるそうで、「日本のゲーム界ですぐに思いつく人物が2人います。1人は小島秀夫監督、もう1人は『DARK SOULS』(ダークソウル)や『ELDEN RING』(エルデン・リング)を手掛けた宮崎英高さんです。例えば、小島秀夫監督の『デス・ストランディング』をプレイしていても、その発想がどこから来ているのか、さっぱりわからないんです。すべてに意外性がある。だから惹かれます。『ELDEN RING』は最近プレイしたんですが、おもしろいと思ったのは、トールキンの『指輪物語』に由来するファンタジーと呼ばれるジャンルでありながら、そこにまた違うものを注入しているところです。『ゲーム・オブ・スローンズ』のように、いま作られているそういうタイプの作品では、ビジュアル面で同じものがリサイクルされています。ドラゴンも衣装もクリーチャーも想像力の方向が同じと言うか。それが『ELDEN RING』の世界に入ると、これまたクリエイティブ的に不可解なものに常に直面することになります」と語った。

「それに対して、欧米でものづくりをしている僕らは子供みたいだし、だから僕は大人になりたいんです(笑)日本に見られるクリエイティブのレベルに到達したいという思いにかられる。それが今までできてきているのかはわからないけど、とにかく僕は、日本のクリエイティビティの持つ本質を、心から敬愛しています。本当にすべての面においてね。日本の100年~200年前の木版画用の原版も集めていて、僕はよくこれらを眺めたりしているんです。僕はとにかく、地球上のどの国よりも日本が持つ創造性と創作を敬愛しているんです」と日本の創造性へのリスペクトをたっぷり熱弁してくれた監督。本作の劇場公開の際にはインスピレーションを受けたという『進撃の巨人』にまつわるエッセンスにも是非ご注目いただきたい。


<あらすじ>
ハーパー(ジェシー・バックリー)は夫ジェームズ(パーパ・エッシードゥ)の死を目の前で目撃してしまう。彼女は心の傷を癒すため、イギリスの田舎街を訪れる。そこで待っていたのは豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリー(ロリー・キニア)。ハーパーが街へ出かけると少年、牧師、そして警察官など出会う男たちが管理人のジェフリーと全く同じ顔であることに気づく。街に住む同じ顔の男たち、廃トンネルからついてくる謎の影、木から大量に落ちるりんご、そしてフラッシュバックする夫の死。不穏な出来事が連鎖し、“得体の知れない恐怖”が徐々に正体を現し始めるー。

『MEN 同じ顔の男たち』
・公開日:12月9日(金)~、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
・配給:ハピネットファントム・スタジオ
★『MEN 同じ顔の男たち』公式サイト

アニメージュプラス編集部

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