• 「ミニチュア特撮の魅力と文化を次世代へ」三池敏夫が取り組む技術伝承
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2022.11.21

「ミニチュア特撮の魅力と文化を次世代へ」三池敏夫が取り組む技術伝承

旅客機が飛ぶ雲海のセットにライトの「太陽」を設置する三池敏夫さん

11月6日、東京・新宿で「体験しよう! みんなが知らない特撮映画の世界」という親子参加イベントが開催された(主催:ふれたび[株式会社 明光ネットワークジャパン] 企画協力:株式会社 バリュープラス)。
講師は、平成『ガメラ』三部作(1995~1999)、『男たちの大和/YAMATO』(2005) 『ウルトラマンサーガ』(2012)『シン・ゴジラ』(2016)『シン・ウルトラマン』(2022)などで特殊美術を手がけてきた三池敏夫さん。小学1~6年生が特撮現場に触れたイベントの様子と併せて、本イベントの主旨について三池さんにお話を伺った。

まず各テーブル上に置かれた綿の塊に、子供たちは興味津々。「重さはどれぐらいあるかな?」という三池さんの問いかけに、子供たちは「2キロ!」「3キロ!」とセリのように叫び、ひとりの男の子が「300グラム」と見事正解を出した。
この綿をちぎっていくことから作業は始まった。子供たちがガヤガヤと綿ほぐしに熱中している間、三池さんは壁面に貼られた大きな青い紙にチョークで雲を描いていく。綿をちぎり終わった子供たちも紙の下の部分に雲を追加した。

各テーブルを背景の壁に寄せると、その両端に木材を固定して、木材の間に上下2本のテグス(釣り糸)を張ってその間にちぎった綿を詰め込んでいく。残りの綿をテーブル上に敷き詰めると、小さな “雲海” が誕生。その上に、ピアノ線によって吊られたミニチュアの旅客機を配置すると、雲の上を飛ぶ旅客機の風景が完成する。

テグスの間に埋めた綿はシートとテーブルの境界線を見事に隠し、室内灯を消し、片側からライトを当てると雲や機体の影によって立体感が生まれ、リアルさが増していく。

またライトの使い方で、雲海は様々な表情を見せる。オレンジ色のフィルターをかけると夕焼けの光景が生まれ、テーブル近くに設置すれば “小さな太陽” に早変わり。

参加した子供たちはスマホ片手に、自分たちで作り上げた特撮セットを夢中で撮影。「雲をちぎるのが面白かった。飛行機が飛んでるように見えるのがすごかった」、「今度は街のミニチュアをやりたい」などと熱い感想を述べていた。

アニメージュプラス編集部

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