• 『ぼくらのよあけ』黒川智之監督が頼りにした「朴ロ美の恐るべき才能」
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2022.11.02

『ぼくらのよあけ』黒川智之監督が頼りにした「朴ロ美の恐るべき才能」

(左から)黒川智之監督、朴ロ美さん

今井哲也のSFジュブナイルコミックを原作にした劇場アニメ『ぼくらのよあけ』が、本日10月21日より全国公開スタート!
本作の舞台は、今から27年後の西暦2049年の世界。夏休みを目前に控えた3人の少年は、家庭用オートボット「ナナコ」の異変をきっかけに、宇宙から来たという未知なる存在「二月の黎明号」と出会う。二月の黎明号が3人に接触した理由とは果たして――ひと夏を駆け抜ける、子どもたちの極秘ミッションが始まる!

本作の監督・黒川智之さんと無人探査機の人工知能「二月の黎明号」を演じた声優の朴ロ美さんは15年来の付き合いだという。試行錯誤しながら行ったアフレコの様子や「役者・朴ロ美」の魅力など、気心の知れたお二人にたっぷりと語っていただきました。

【「二月の黎明号」役は、朴さんしかいないと思った】

――朴さんに「二月の黎明号」役をオファーされた経緯を教えてください。

黒川 朴さんとは、僕の監督デビュー作『MURDER PRINSESS』(2007年)で主演を務めていただいたご縁があり、その後も年に一度ほど、朴さんがご出演する舞台を観に行っていました。そこで、朴さんのお芝居の引き出しの多さや、表現力の豊かさなどは存じておりました。

そして、今回オファーした「二月の黎明号」というキャラクターは、顔がないので表情がなく、口パクもしない。本当に「声」のみで全てを表現しなくてはならないという役どころでした。加えて、1万2000年の時を重ねた「二月の黎明号」の思いを表現できる方となると、僕の中では「朴さんしかいない」と思い、指名でお願いさせていただきました。

 監督からLINEで「難しい役ですが、よろしくお願いします!」と事前に連絡を頂いていたのですが、正直「難しいって言っても、そこまででしょ」と思っていたんです。でも、実際に台本を読んでみると、「これ、私どうやって演じるの!?」と思うくらいの難役で。思わず監督に「この役、難しすぎますよ!」とLINEを送ってしまいました(笑)。

黒川 (笑)。実は「二月の黎明号」に関しては、自分の中でも「これ!」というイメージがなかったんです。ある程度、演じる役者さんに委ねなきゃいけない部分が大きいと考えていたので、そこを安心してお願いできる方というのは、朴さんしかいなかったですね。

 そう言っていただけて、本当に役者冥利に尽きますね。でも、やっぱり実際に演じてみても、すごく難しくて!

「二月の黎明号」はユニセックスで演じようと思ったのですが、私は女性なので、ユニセックスを意識すると、どうしても少年声になってしまうんですよね。でも、少年声だと悠真たちと似通ってしまう。もっと異質な雰囲気にするにはどうしたらいいのか試行錯誤しながら、何回かテストさせていただきました。

黒川 お忙しい中、時間を割いていただいて、「こうでしょうか、ああでしょうか?」といろいろ試していただきました。

寺林 沙樹

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