• 『ガチャタマ』はお土産物ではない、「これこれ!」郷土愛の象徴!
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2022.10.13

『ガチャタマ』はお土産物ではない、「これこれ!」郷土愛の象徴!

『ガチャタマ』はお土産物ではない、「これこれ!」郷土愛の象徴!

埼玉県大宮市で始まった『ガチャタマ』が話題となり、ものすごく売れている。アニメージュプラスでも大宮ガチャタマ第二弾が発売される際に記事を掲載し、大きな反響があった。ラインナップを見ると、一般的なご当地アイテムとはちょっと違う雰囲気を感じる。ではなぜそんなにバズっているのだろうか? 企画・製作者に話を聞いて、その魅力を探ってみたい!

『ガチャタマ』はその地域にあるものをデザインしたアクリルキーホルダー。現在、大宮だけにとどまらず、埼玉県内の他地域や埼玉県を飛び出した地域のものも発売され、その範囲を広げている。埼玉の川越、東京の東銀座と、観光客が訪れる地域のものもあるのだが、観光客がその場所に行った記念に買っているのではなく、実際にはその地域に住んでいる方たちが購入しているという。
そんな『ガチャタマ』はどのように誕生したのか? 
本シリーズの企画は、JR大宮駅の目の前に立つファッションビル・アルシェの中島祥雄社長。製作を、さまざまなオリジナル商品の製作を請け負うジェットワークスの荒地功一さんが担っている。このお二人にお話をうかがった。

>>>ガチャタマこれまでのシリーズを見る(写真13点)

◆初めはTwitterでの盛り上がり◆

中島 大宮って代表的なグッズがないんです。そこで「こんなキーホルダー、どうかな?」とラインナップのリストを書き出してここにいる3人で相談したのが最初です。その中に〈伯爵邸〉という独特な不雰囲気の24時間営業の喫茶店があったんです。
▲大宮ガチャタマ第1弾

――テレビで見たことがあるかもしれません。

中島 そうです! 多国籍のスタッフが働いていて、おそらくそのスタッフの国の料理で、我々が見たこともないメニューがたくさんあるんです。来ている人たちの客層も様々ですが、地元の方でも普通の方は意外とあまり行ったことがないというか。すごく独特な存在になっている喫茶店で、NHKの『ドキュメント72時間』でも取り上げていました。「こういう存在って面白いね」という話で、じゃあ大宮のこういう存在を売りに、ちょっと肉付けしていって、ガチャガチャにやってみたら面白いんじゃないかということで「大宮ガチャタマ」の企画がスタートしました。発売まで結構時間はかかりましたけど。

――時間がかかったのはリストアップですか。

中島 最初のリストアップは意外に簡単にできたのですが、そのリストの相手方が「こんなの面白いのか?」「うちはこんなガチャガチャのキーホルダーにされるものでもないよ」と。

荒地 こんな企画初めてのことだから、なんだかよくわからなかったんだと思います(笑)。

中島 そうなんですよ。「大宮のキーホルダー、それは面白いのか?」と。我々も正直売れるかどうかわからなかったですけれど(笑)。「我々は面白い企画だと思っていますけれど、世間のみんなが面白いかどうかはわかりません」と正直にお話して、なんとか理解していただいた方々が第1弾のラインナップです。

荒地 デザインを決めるのも大変なところがありましたね。さきほどの〈伯爵亭〉は、お店で作ったロゴがあって、そのロゴで作ってほしいと言われたんですが・・・。

中島 我々が欲しかったのは、お店の外に出ている看板のデザインなんです。いただいたロゴは、お店の中を見渡してもどこにも使われていないんですよ。〈伯爵亭〉のファンが手にしたときに、「これこれ!」と思うのは、見慣れた外看板のデザインだと思うんです。そのすり合わせに時間がかかるところもありました。

――企画を理解しても、不確定要素が多い中OKをもらうのは大変でしたね。

中島 すごくありがたかったのは、氷川神社さんが訳のわからない段階でOKいただけたことですね。ものすごく格の高い神社なのですが早々に賛同していただきました。「氷川神社も出ているんだったらいいか」という方もいて、お墨付きがもらえた感じがあり助かりました。

――面白いけど売れるかどうかわからないなかで、売り上げ目標などはどのくらいで考えていたのでしょう。

荒地 当初は売り場も3カ所でしたから。

中島 最初の売り場はアルシェとマルイさんと、そごうさんの3カ所だけ。生産数は荒地さんと、1000個くらい作って1カ月で売れてくれたら、半年後くらいに第二弾を出して、くらいのペースはどうでしょうという話をしていました。多少話題になってくれればそれくらいのペースが妥当かと。それがリリースを出したらTwitterでバズってしまって。「こんなアイテム出るなんて、バカじゃないか」と(笑)。

――それは若い子ですか。

中島 いや、若い子よりも〈伯爵邸〉に反応した人たちなので、おそらく40代以上じゃないでしょうか。まず「大宮のガチャガチャって意味わからない」っていう話から、そこに「伯爵邸?」みたいな。それで盛り上がり、知らないうちにトレンドに入っていました。そのTwitterの盛り上がりを見て、最初は新聞の埼玉支局の方が記事に書いてくれたりして広がっていった感じですね。

――Twitterの影響力はすごいですね。

中島 Twitterが盛り上がってくれるので、第2弾以降、Twitterからもネタをもらっています。「次はこれがほしい」という意見を参考にさせてもらったりとか、逆にTwitterでは絶対に予想しなかっただろうみたいな感じのものを入れたり。「こう来たか」っていうツイートが返ってきたら大成功(笑)!

文/アニメージュプラス編集部

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