• 『Xボンバー博覧会2022』日本特撮のミッシングリンクを結ぶ必見の展示
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2022.10.12

『Xボンバー博覧会2022』日本特撮のミッシングリンクを結ぶ必見の展示

65センチサイズモデルのXボンバー(C)2002ダイナミック企画・エノキフィルム

特撮人形劇ドラマ『Xボンバー』の貴重な資料が集結した「- Xボンバー博覧会 2022- “きみはXボンバーを知っているか?”」が、現在アキバCOギャラリーにて開催中。貴重な機会となる展示内容を紹介しよう。

『Xボンバー』は、1980年10月から1981年3月までフジテレビで放送された「スーパーマリオラマ(特撮人形劇)」だ。
西暦2999年、太陽系に謎のゲルマ帝国が地球へとその勢力を伸ばし、全宇宙支配の鍵となる「F-01」の譲渡を求めてくる。これを迎え撃つのは、来るべき日のために鍛錬を重ねてきた銀河シロー、ボンゴ・ヘラクレス、ビッグマン・リーが乗る超宇宙マシーン「Xボンバー」! 3機の戦闘メカが合体して誕生する巨大ロボ「ビッグ・ダイエックス」と共に、彼らは「F-01」の謎と宇宙の正義を守る戦いに挑んでいく――。

原作・キャラクターデザインを永井豪、脚本を藤川桂介が手がけた本作では、『サンダーバード』のようにミニチュア特撮と人形劇を融合したスタイルで本格SFアクションが描かれた。美少女ヒロイン・ラミアの美貌、リアルな変型とダイナミックなアクションで魅せるビッグ・ダイエックス、ハードロックバンド「BOW WOW」が担当する主題歌なども大きな注目を集めた。

放送開始から42年を迎えて開催される本展示は、造形家・品田冬樹が収集した当時の造形模型や石膏型を基にして復元された、撮影用の人形・宇宙船など数々のプロップが展示のメインとなっている。
品田氏によって20年以上をかけてこつこつとレストアを施されたキャラクターたちが一堂に会する様は、まさに圧巻。現場で細部をじっくり見れば、その造形の見事さ・素晴らしさを再確認できるはず。
中でもファンの心を魅了した本作のヒロイン、ラミアの可憐な美しさには思わず目を奪われることだろう。
▲銀河シロー。宇宙服姿や笑顔の頭部プロップ、遠景用の小人形も展示。
▲(左から)ボンゴ・ヘラクレス、ビッグマン・リー。小物類も併せて展示されているのが嬉しい。
▲ラミア4態。左から幼女期、平服、宇宙服、覚醒後。
▲左からゲルマ兵、コズロ、ゲルマ魔王、ブラディ・マリー

そして印象的なメカニック類も見応え抜群。中でも強い人気を誇るビッグ・ダイエックスは約70%を新規に造形、全長96センチの迫力ある存在感に圧倒されること間違いなしだ。
▲65センチサイズモデルのXボンバー。
▲全長約1メートルのサイズを誇る、ビッグ・ダイエックスのモデル。

見どころはそれだけに留まらない。梶田達二氏によるマーチャンダイズ用の原画、企画書やシナリオ、さらに制作現場や永井豪氏らのNASA取材などを記録したスチール類、放送当時発売されたグッズ類も併せて展示されている。▲関連商品に使用された梶田氏のイラストレーション。
▲手書きの企画書も。これだけのものが残っていることに驚かされる。
▲アフレコ用台本。
▲絵コンテ類と永井氏のNASA取材時のスナップ写真。
▲オモチャ、レコードなどの関連アイテムも展示。

当時を懐かもうと足を運んだ人も、また詳細を知らずにここを訪れた人も、42年前にこれだけのクオリティのモデルを使ったSF特撮ドラマが作られていたという事実、それを生み出したスタッフの熱意、そして本作の魅力を後世に遺そうと腐心した品田氏の情熱にただただ驚愕するしかないはずだ。

『Xボンバー』のこれだけの資料・アイテムが集結するイベントはおそらく空前にして絶後だろう。日本の特撮のミッシングリンクを結ぶ本展示は10月16日(日)まで。その本当の魅力は、ぜひ現場で確認してもらいたい。

>>>『Xボンバー博覧会2022』会場と貴重な展示内容を見る(写真33点)

(C)2002ダイナミック企画・エノキフィルム

アニメージュプラス編集部

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