【口説き台詞はいやらしくならないように】――クロードを演じるうえで、苦労した点はどこでしょうか?梅原 いわゆる口説き台詞のような言い回しがあるのですが、それがあまりいやらしく聞こえないように気を付けました。子どもが好きなおもちゃを見つけたくらいの純粋さがあったほうがいいと思ったので、クロード的には「ただ思ったことを言っただけ」という雰囲気になるよう心がけました。
とはいえ、乙女ゲームの世界の話なので「乙女ゲームだと、ここでスチルが出てくるんだろうな」というような、分かりやすい台詞にもしたかったんですよね。印象的なシーンにはなるように、そことのバランスを考えながら収録しました。
――口説き台詞に関して、何かディレクションはありましたか?梅原 ミキサーさんに「口説き台詞の時は、マイクとの距離を近めでお願いします」と指示をいただきました。細かな息使いなど、音の取れ方が違うんだと思います。
そういう状況でのクロードは、アイリーンとも物理的な距離が近いと思うので、そういった感覚も意識しながら演じました。
【高橋李依さんから言われた「梅原さんはいい人だよって聞いています」】――アイリーン役・高橋李依さんとの共演はいかがでしたか?梅原 高橋さんとレギュラーでがっつりとご一緒するのは初めてだったので、最初の収録で「よろしくお願いいたします」とご挨拶した時、高橋さんに「他の声優さんから『梅原さんはいい人だよ』って聞いています」と言われまして(笑)。初手からジャブを打たれたので、「この現場ではいい人でいなきゃいけないな」と、以後穏やかにしていました(笑)。
――そんなお話が伝わっていたんですか(笑)。梅原 その後、その声優さんに会った際に「高橋さんに僕のこと『いい人』って言ってくれたんだ?」と話したら、「別にいい人とは言ってないよ、『悪い奴じゃない』って言っただけ」と返されて(笑)。おそらく高橋さんが気を遣って、「いい人」に変換してくれたんだと思います(笑)。
――(笑)。アフレコの際の高橋さんとの掛け合いはいかがでしたか?梅原 高橋さんの演技はまっすぐ飛んでくるので、クロードとしても、僕としても、台詞が直に刺さってくるんですよね。なので、その台詞を聞いてクロードが動揺するシーンなどの、受けの演技がとてもやりやすかったです。
あとは、令嬢というキャラクターなので、単純に言いづらい台詞が多いんですけれど、それを難なく高橋さんがやられていたので、すごいなあと思いながら聞いていました。
(C)永瀬さらさ・紫真依/KADOKAWA/悪ラス製作委員会2022