• 『特撮のDNA/平成ガメラ3部作 展』で目撃した平成特撮の真髄
  • 『特撮のDNA/平成ガメラ3部作 展』で目撃した平成特撮の真髄
2022.08.18

『特撮のDNA/平成ガメラ3部作 展』で目撃した平成特撮の真髄

ガメラとイリスが対峙するジオラマ(C)KADOKAWA TNHN/1999

現在、東京タワーB1Fタワーホールにて『特撮のDNA/平成ガメラ3部作 展』が開催中。展示された貴重なプロップ&資料を通じて、改めて作品の素晴らしさを感じることができる好企画となっている。

2020年~2021年にかけて「ガメラ生誕55周年プロジェクト」として劇場で4K HDR、ドルビービジョン、4K SDR上映が行われた「平成ガメラ3部作」。徹底的なリアル志向と伝奇性が絶妙に合わさった世界観、スピード感と破壊の快楽あふれる怪獣バトルなど、作品に込められた熱気は20年以上の時間を経ても変わりなく、新たなファンを生み続けている。このような作品こそ「マスターピース」と呼ぶべきなのだろう。

その魅力を大きく支える特撮の裏側に触れられる機会、しかも会場は1作目『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)でギャオスが巣作りをした東京タワーだ。ワクワクしながら会場に足を踏み入れると、左手に『大怪獣空中決戦』(1995)で使用されたガメラのパペットの頭部がずらりと並んでいる。
一見同じものに見えてしまうが、それぞれアップ用スーツの頭部、海用スーツの頭部、アクション用頭部と役割がある。用途によって頭部を使い分けるというのは、過去の怪獣映画ではおざなりにされがちだったポイント。ここからも特撮スタッフのこだわりを感じることができるだろう。
▲『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)で使用されたプロップ類。

1作目で使用したボディスーツは『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)で転用されたため、現存していない。そのためクラウドファンディングで蘇った新たなスーツが今回初展示されている。
平成ガメラのスーツは一作ごとに変化していることにも注目だ。表情が徐々に険しくなっているのは一目瞭然だが、現物を見るとボディそのものの変化にも気づかされる。これは中に入るスーツアクターの体型に合わせてのものだという。
またレギオン、イリスのスーツがガメラより大きく作られているのは、相手がガメラにとって難敵であることを視覚的に表現するため。スーツひとつからも、そんなスタッフの意図を汲み取ることができるはずだ。

(C)KADOKAWA NH/1995 (C)KADOKAWA NHFN/1996 (C)KADOKAWA TNHN/1999 (C)特撮のDNA製作委員会

アニメージュプラス編集部

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