• 【ガンダム】アニメグッズにおける「さりげなさ」の到達点とは
  • 【ガンダム】アニメグッズにおける「さりげなさ」の到達点とは
2022.07.13

【ガンダム】アニメグッズにおける「さりげなさ」の到達点とは

(C)創通・サンライズ

アニメグッズにはいくつかの系統があるが、その内の1つに「さりげない系」がある。だがその「さりげなさ」はアニメグッズの本質とどう折り合いを付けていくのだろうか。1つのアイテムを例に、考察してみた。

アニメグッズにはいくつかの系統がある。代表的なものを挙げてみよう。
まず1つは、劇中に登場したキャラクターやアイテムを再現したもの。フィギュアや玩具もこれに入る。劇中の武器や小物、衣装などをしっかり1/1スケールで作ったものも最近は増えている。
2つめは、キャラクターを前面に押し出したもの。キャラがガツンと大きくプリントされたTシャツや文具などだ。幼児向けアパレルなどもこの傾向があるが、大人向けにデザインを凝らしたものも多く、一定以上の人気を得ている。
そして3つめは、「日常に溶け込ませて使える」「普段使いできる」「さりげない」等のワードでアピールされる、キャラクター性を控えめに表現したアイテムだ。その性格上、日用小物やアパレルが中心となる。

この3系統は、実際のアイテム発売点数などを見るに──企業である以上、当然、過去の販売実績は参照されているはずである──いずれも一定以上の人気がある。
だがこの中で、ひときわ目立つ動きを見せているのが「さりげない系」だ。
『機動戦士ガンダム』から43年、『新世紀エヴァンゲリオン』から27年。日本において「大人もアニメグッズを身に付けてもよい」という雰囲気は形成されている。だが一方で、「ガツンとキャラ系」を身に付けて日常を送るのは恥ずかしいと考える人も、まだ少なくないのだろう。
そうした人に向けたアイテムが「さりげない系」だと言える。

しかし、さりげない、キャラクター性を強くアピールしない、ということは、キャラクター性が少ない、目立たないということでもある。
キャラクターのものを身に付けたい、自分がそれを好きだとアピールしたい、だがアニメグッズを身に付けていると気付かれたくない、という感情の動きはある種の矛盾をはらんでいる。さりげなさを強めるあまり「……このシャツはどの辺が『ガンダム』なの……?」という感じになってしまうのも、魅力あるグッズとは言えないのではないだろうか。
バンダイ ファッションブランド事業部は、高年齢層向けアイテムとしてさりげない系アパレルのラインナップが多い。その新製品の1つに「機動戦士ガンダム BLACKシリーズ マーク キャップ」がある。これはキャップに、地球連邦軍やジオン軍のマーク、アムロやシャアのパーソナルマークなどを刺繍したものだ。
「刺繍……どこに……?」と画像を見て思った人もいるのではないだろうか。
実はこのアイテム、黒地に黒い糸で刺繍をしているのだ。そのため、光の加減によってはマークの判別が難しい。つまり、他人に気付かれにくい。マーク自体はキャップの刺繍としては一般的な大きさであるため、かぶっている人の「キャラクターものを身に付けたい」という欲求もある程度満たされると思われる。
バンダイ ファッションブランド事業部では、このキャップを「主張しすぎない落ち着いたデザインのシリーズに仕上がっていますので、大人っぽくガンダムアイテムを楽しんでいただけます」とアピールしている。

キャラクター性とさりげなさ、その落とし所の答えの1つが「機動戦士ガンダム BLACKシリーズ マーク キャップ」にはある。もちろん、これが唯一絶対の正解ではない。さりげない系アイテムが企画されるごとに、その着地点も模索されていくのだろう。

「機動戦士ガンダム BLACKシリーズ マーク キャップ」は2022年7月13日(水)11時より、バンダイのキャラクターファッションサイト「バンコレ!」にて予約受け付け中である。〆切りは2022年8月16日(火)23時の予定だ。

>>>「機動戦士ガンダム BLACKシリーズ マーク キャップ」の画像を見る(画像20点)

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事