◆ティターンを悪役だと思って演じていない◆――ウルトラマンシリーズとの出会いの記憶や思い出をお教えください。安元 物心がついたときには『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の再放送を観ていました。『ウルトラマン』の変身アイテム(ベーターカプセル)と間違えてスプーンを掲げるシーンは、何度も観た記憶があります。子供の頃の僕は眼鏡をかけていなかったので、友達の眼鏡を借りてウルトラセブンの変身ポーズを真似していました。あと姉が男の子と遊ぶ人で、エレキングやキングジョーなどの怪獣の塩ビ人形が家にいっぱいいたこともよく覚えています。
――印象に残っているヒーローや怪獣は?安元 ウルトラマンとセブンはやっぱり印象が強いです。特にセブンは頭のアイスラッガーを投げ飛ばすところとか、驚くようなアイデアがたくさん込められていると感じました。怪獣だとキングジョーみたいに強い怪獣や、ジャミラのことはよく覚えていて、Tシャツを使ってジャミラの真似をしていました。
――安元さんはゲーム好きで知られていますが、ウルトラマンが登場するゲームを遊んだ思い出はありますか?安元 ゲームセンターの2D格闘ゲームはやりましたね。すごく難しかった覚えがあります。昔は今ほどゲームの選択肢がなく、誰かが持っていたものを貸し借りすることも多くて。その中でバンプレストが出していたSDキャラクターが登場するゲームを遊んで、後にウルトラマンシリーズのキャラクターが出ていたと知ったこともありました。
――半世紀以上にわたって愛されるウルトラマンシリーズの魅力は、どういったところにあると思われますか?安元 昔は子供が観る作品というイメージでしたが、歴史を重ねて子供も大人も関係なく楽しめるものになった気がします。特に『ウルトラマンガイア』なんかは顕著ですよね。独特なウルトラマンのデザイン、3分間の時間制限といった原点の発想の新鮮さ、その中で毎回観る人を飽きさせない工夫を凝らしているところが、今も昔も変わらない魅力だと思います。そこにベリアル、もしかしたらティターンもそうかもしれないですが、違和感を覚える要素が加わるのもまた面白くて。作り手の皆さんが愛を持って、さまざまな仕掛けをしてくれるからこそ、みんながずっとワクワクしながら観ていられるんじゃないでしょうか。
――今後ティターンのこういった一面を演じたい、という希望などありますか?安元 善悪で言えば、ウルトラマンが善でアブソリューティアンはきっと悪なんでしょうけど、僕自身はティターンを悪だと思って演じてはいないんです。自分の中の正義を信じて、一生懸命に戦っていますから、僕個人としてはウルトラマンたちに勝ちたいと思っていますよ(笑)。
――アブソリューティアンが勝利する展開も、意外性があって見てみたい気はします(笑)。最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。安元 作品を観て楽しいと感じたら、ぜひまだ観ていない人に向けて広めていってほしいですね。ウルトラマンに限らず、みんなで楽しく盛り上がることはすごく大事なことだと考えていて。皆さんが「楽しい」と思ったことは独り占めせず、多くの人と共有して盛り上がることで、きっとこの先にもっといいことが起きると思います。ようやくみんなでワイワイと楽しむことが少しずつ許される世の中になってきたので、その中の一つにウルトラマンがなってくれれば嬉しいです。
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