• ウルトラマンの答えに感じた人間の卑しさと愛おしさ 『シン・ウルトラマン』斎藤工インタビュー
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2022.07.02

ウルトラマンの答えに感じた人間の卑しさと愛おしさ 『シン・ウルトラマン』斎藤工インタビュー

斎藤工さん 撮影:高橋定敬



◆特撮が持つ感情移入させる力◆

――今作ではフラッシュを焚いて撮影した変身シーンに代表される昔ながらの特撮、ウルトラマンのバトルシーンのような最新のVFXの両方が駆使されていました。特撮、VFXに関わるシーンの撮影で記憶に残っていることはありますか?

斎藤 僕たち俳優部としては、「ここからは特撮パート」と明確に区別されていた印象はなくて。ただ、企画書の段階で書かれていた “空想特撮映画” というクレジットに込めたこだわりや想いは、完成した映像を観たときに強く実感しました。特撮という人の存在を感じさせる伝統的な手法を使ったからこそ、感情移入するフックが生まれたのではないでしょうか。

――あえてアナログな手法を用いたことに意味があると。

斎藤 あくまで僕個人の感覚ですが、VFXには感情移入がしづらいんですよ。「すごい映像を観た」という経験にはなっても、「映画を観た」という実感は得づらくて。円谷英二さんたちがいかにして観る人を驚かせ、楽しませるのかを創意工夫してきた特撮の歴史は、日本の映像業界が誇れる遺産だと思います。今作はそんな伝統的な特撮と、それを進化させたVFXなどの技術を同調させた、シンボリックな映像体験が味わえる作品になっているのではないかと。

――もし特撮映画を撮影する機会が訪れたら、どういった作品を作ってみたいですか?

斎藤 今作の現場を経験して、特撮は僕のような素地がない人間が制作側として関わってはいけないと感じました。だから、自分が制作する側になったとしたら、餅は餅屋ではないですけど、樋口さんに相談すると思います。


(C)2022「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

アニメージュプラス編集部

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