• 『機動戦士ガンダム0083』に刻まれた究極の作画とトップスタジオの萌芽
  • 『機動戦士ガンダム0083』に刻まれた究極の作画とトップスタジオの萌芽
2022.06.18

『機動戦士ガンダム0083』に刻まれた究極の作画とトップスタジオの萌芽

ガトーを追撃するコウ・ウラキ (C)創通・サンライズ


★そこには、あるアニメスタジオのルーツが★

本作の制作スタジオは、もちろんサンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)。
だが実は、この圧倒的な作画を支えたスタッフたちの潮流は、現在、日本のアニメを代表するトップアニメーションスタジオへとつながっている。
本作の作画を支えた軸は、まずはキャラクターデザイン・総作画監督を務めた川元利浩。そして超絶的なメカアクション作画の中心となったのは、総メカニカル作画監督の佐野浩敏。二人の総作画監督の下で腕を振るったのは、逢坂浩司、菅野宏紀、杉浦幸次といった腕利きのアニメーターたちだ。
中でも、前半話数でほぼ交互に作画監督を担当した川元利浩と逢坂浩司は、本作の作画の底上げに大きな貢献をしている。話数を追うごとに、互いに刺激し合うように濃密な映像を追求していった両者と、さらに2人に刺激されていったアニメーターたちの力量によって生まれたのが、本作の〈究極の手描き作画〉なのだ。

やがて彼らは、本作にアシスタントプロデューサーとして参加していた南雅彦とともに『機動武闘伝Gガンダム』、『天空のエスカフローネ』といったアニメファンの記憶に残る名作を作り、1998年には南プロデュース、川元がキャラクターデザイン、逢坂が作画監督という布陣で、あの名作『カウボーイビバップ』を世に送り出す。
そして、サンライズから独立した南、川元、逢坂を中心に1998年に設立されたアニメーションスタジオ、それがボンズなのだ。

『ラーゼフォン』、『鋼の錬金術師』、『交響詩篇エウレカセブン』、『血界戦線』、近年では『僕のヒーローアカデミア』、『ヴァニタスの手記』など、代表作を挙げれば枚挙にいとまがないボンズ。
確かなクオリティでアニメファンの信頼を得ているトップアニメーションスタジオのルーツに触れるーー現在にまで続くボンズの、アニメ作画にこだわり抜く姿勢の萌芽を感じ取るという意味でも、今回の『機動戦士ガンダム0083』の放送は見逃せない機会となるだろう。

>>>圧倒的な作画クオリティに驚愕!『ジオンの残光』場面カットを見る(写真8点)

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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