• 【金ロー】『トイ・ストーリー』から『バズ・ライトイヤー』に継承される世界
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2022.06.17

【金ロー】『トイ・ストーリー』から『バズ・ライトイヤー』に継承される世界

『バズ・ライトイヤー』(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー/ピクサーの代表作として、世界中で愛されている『トイ・ストーリー』シリーズ。
7月1日(金)からはシリーズ最新作『バズ・ライトイヤー』が公開、それに合わせて日本テレビ系〈金曜ロードショー〉では、6月17、22日(金)の2週にわたって『トイ・ストーリー3』、『トイ・ストーリー4』が放送される。

おもちゃは実際に生きていて、自分で自由に動いたりしゃべったりできる。だが、そのことは決して人間に知られてはならない。これが『トイ・ストーリー』のファンタジー世界だ。
たくさんのおもちゃと遊ぶアンディ少年、中でもカウボーイ人形のウッディは一番のお気に入りで、アンディが遊んでいるおもちゃたちのリーダーでもあった。
そして、今年もやってきたアンディの誕生日。プレゼントとして新たにおもちゃたちの仲間に加わったのは、宇宙ヒーローのバズ・ライトイヤーだった……。

これが1995年に公開されたシリーズ第1作『トイ・ストーリー』の物語だ。劇場用長編映画としては初のフルCG作品であり、現在の視点で振り返った時、ピクサーがこの作品の表現で徒に「リアル」を目指すことはせず、また、手描き2DアニメーションのCGによる再現も目指さず、「3DCGならではの映像世界」を目指したことは非常に重要だといえる。

CG技術は日進月歩、現在では実写映画の中に違和感なく取り入れられるくらいの「リアルなCG」を作り出すことも、あえて手描きアニメーションの風合いをCGで描き出すことも、どちらもそれほど難しいことではない。
だが、『トイ・ストーリー』の映像は当初から、独特の絵柄や質感や動きを持った「CG映像」としての独自性を志向していた。「本当は生きているおもちゃ」というファンタジックな題材に「リアリティ(現実に近いという「リアル」ではなく、作品世界の中で違和感なく存在させるという意味で)」を感じさせる上でも、CGという手法は効果的だったと言えるだろう。
硬質で人工的な質感を残しつつも、活き活きと表情を変え、動き回るというおもちゃたちが見せてくれる世界は、まさに「CGならでは」の独特さだった。
そして、それが広く世界に受け入れられたことで、大げさにいえば人類は実写映画や従来のアニメーションの「代換物」ではなく、「フルCGアニメーション」という新しい映像エンタテインメントを手に入れることができたのだ。

最新作『バズ・ライトイヤー』でも、その映像は技術とともに確かにブラッシュアップされているが、描かれる世界の質感、存在感の方向性は基本的に変わっていない。
CGでしか描けない独特のファンタジー世界で、世界中のあらゆる世代を楽しませる、それが『トイ・ストーリー』シリーズの大きな魅力の源泉なのだ。

(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

アニメージュプラス編集部

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