• 母の日だから振り返りたい!ガンダムシリーズの強烈な母たちの生き様
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2022.05.08

母の日だから振り返りたい!ガンダムシリーズの強烈な母たちの生き様

強いインパクトを残すガンダムシリーズの母親たちをピックアップ!

5月8日は「母の日」。日頃の母親の苦労をねぎらい、感謝の思いを表し伝える機会となっている。
思えばアニメの中にも様々な母親が登場するが、今回はその中でも特にインパクトが強いと思われる、富野由悠季監督が手がけたガンダムシリーズに登場する主人公の母親たちをピックアップ、それぞれの生き方や母としての在り方に注目してみたい。

■カマリア・レイ(『機動戦士ガンダム』第13話「再会、母よ…」)

地球連邦軍の技術者である夫テム・レイ、そして主人公アムロと3人で地球に暮らしていたが、テムがスペース・コロニーで働くことになった際に「宇宙での暮らしには馴染めない」という理由から別居を選択した。
サイド7で戦渦に巻き込まれたアムロは、テムが開発に関わったRX-78-2ガンダムに乗り込んだことをきっかけに難民と共に乗り込んだ強襲揚陸艦ホワイトベースのクルーに。幾多の戦いを経験し、兵士としての自覚を持ち始めた時期に難民キャンプでボランティアとして働くカマリアと再会する。

しかしカマリアは、難民キャンプの偵察にきたジオン軍の兵士に銃を向けたアムロの姿に大きなショックを受け、その行動を咎める。「母」であることを放棄しておきながら、カマリアは自分の思い描いていた姿に成長していなかった息子を拒絶することしかできなかったのだ。
一方のアムロも、戦争の中で自身や仲間を守るため戦い続けてきた苦い経験を理解しようとせず、自分の価値観を押し付ける母との間に埋められない大きな溝を感じることになる。お互いをまったく理解することなく、そのまま二人はまた別れを告げることとなる。

本作の物語は後に「ニュータイプは言葉を介さずとも人とわかり合える存在にもなりうる」という可能性を提示するが、この二人のドラマは血の繋がった親子でさえも分かり合うことができない「心の距離感」を対比的に、そして残酷に表現したものなのかもしれない。

■ヒルダ・ビダン(『機動戦士Zガンダム』)

地球連邦軍の技術士官であるカミーユ・ビダンの母・ヒルダは、キャリアウーマン的な女性として描かれている。同じ技術士官である夫・フランクリンに愛人がいることに気づいているが、それに対して自分からはアクションを起こすことはなく、辛い事実から逃げるかのように仕事に邁進していく。
一見家庭から逃避した冷たい女性のように見えるが、逆に考えれば仕事に打ち込むことでしか自身を支えることができない悲しい女性であったという風にも言えるだろう。

その様な状況のため、ヒルダは先のカマリア同様に息子カミーユに構っている余裕はなく、カミーユ自身もそのことに気づいている。共働きの家庭では、どうしても親の愛情を受ける機会を持つことが難しくなるわけだが、ましてやカミーユの場合は完全に家庭を顧みない両親である。その反動が生んだ、どこか屈折したカミーユの人格もまた『Zガンダム』の大きな要素のひとつとなっていく。

カミーユがエゥーゴに協力してガンダムMk-IIを強奪した結果、彼の家族であるという理由からティターンズによってヒルダは人質にされてしまう。そしてカミーユを誘う餌としてヒルダはカプセルで宇宙空間に放たれ、ジェリド・メサの攻撃によって死亡するという結末を迎える。この出来事が、カミーユがティターンズと戦う決意を固めるきっかけとなっていく。
冷え切っていた関係だったとは言えヒルダにはカミーユへの思いが、そしてカミーユには母への思いが残っていた。お互いをもう一度理解し合う機会が完全に失われたことは、その後のカミーユの精神にも大きな影響を及ぼすことになる

アニメージュプラス編集部

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