劇場版『名探偵コナン』の安室さんの歴史を振り返る

●劇場版シリーズ第22弾『名探偵コナン ゼロの執行人』（2018年公開）
安室透の人気を一気に高めたといっても過言ではない、この22作目『名探偵コナン ゼロの執行人』は、なんと安室透がコナンの前に立ちふさがるという内容だ。安室透が敵なのか、味方なのか分からないままストーリーは進んでいき、途中まではコナンと安室透が対峙する形に。

安室透は劇中で「僕には、僕以上に怖い男が2人いるんだ。そのうちの1人は、まだほんの子供だがな」とコナンについてコメント。『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』でも、安室透がコナンの実力を評価し、絶大な信頼を寄せていることが分かるシーンはいくつもあり、2人の関係性も注目してほしいポイントとなっている。

そんなコナンと安室透が、本作では最終的に2人協力してピンチを脱していくのだが、ラストの安室透のドライブテクニックは見物だ。時速180キロオーバーで運転したり、片輪走行をしたりと、数々のスゴ技を披露。その時点で多くのファンの心を掴んでいた安室透だったが、“安室の女” を生み出す決定打となったのは、コナンから彼女の有無を聞かれた際の「僕の恋人はこの国さ」というセリフだろう。これを聞いた多くの女性ファンが “安室の女” となり、複数回映画を鑑賞して公務員である安室透に “納税” するというムーブメントが起こったのだ。

これまでミステリアスで何を考えているのか分からない安室透だったが、本作では公安警察官として国を守る使命感に溢れた “降谷零” としての顔を見ることができた。それが多くの安室ファンを生むこととなり、『ガジェット通信 アニメ流行語大賞2018』で、金賞に『安室透』が、銀賞に『安室の女』が選ばれたり、国内でもレアな苗字である『降谷』のハンコが爆売れしたりと、本作が公開された2018年の安室フィーバーは凄まじいものだった。
▲『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』安室透とやり取りをするコナン。

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（Ｃ）2022 青山剛昌／名探偵コナン製作委員会