• 『ククルス・ドアンの島』MSバトルの肝は任侠映画とスケーターの動き
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2022.04.15

『ククルス・ドアンの島』MSバトルの肝は任侠映画とスケーターの動き

高機動型ザクの動きにも安彦監督のこだわりが! (C)創通・サンライズ

ファンの注目を集め続けている、安彦良和監督の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の最新情報が到着。本作の大きな見どころとなるモビルスーツの活躍場面、またそれに関連した安彦監督のコメントも併せて公開された。

ガンダムシリーズの原点であるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』、そのシリーズ中でも異彩を放つ15話『ククルス・ドアンの島』を完全映画化。『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』の劇場公開から40年の時を経てRX-78-02 ガンダムとアムロ、そしてお馴染みのホワイトベースの仲間たちが登場する物語が展開されることとなった。
また、本作はTVアニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン・アニメーションディレクターであり、累計発行部数1000万部を超えるヒット作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を手掛けた安彦良和氏が監督を務めることも、大きな話題を呼んでいる。

劇中に登場するメカ描写は3DCGで表現されており、モビルスーツ同士の地上戦がふんだんに盛り込まれている。その中でも独特な存在感を放っているのが、ククルス・ドアンが操縦する「MS-06F ドアン専用ザク」だ。
安彦監督は、デザイン決定までの経緯をこう語っている。

「彼の乗るザクが特別であるわけはないと僕は思っていたんです。TVでも普通のザクでしたし。でも、モビルスーツのデザインを担当してもらったカトキ(ハジメ)さんは非常に思い入れがあるらしくて、やっぱりどこかが他のザクとは違う、ただならぬ雰囲気があったほうがいいと力説されたんですよね。彼の言葉を借りると〈異形のザク〉なんだと。

カトキさんが映画のために描いたドアンのザクは、だいぶくたびれて壊れていて、頭もいびつで鼻が長い。いろいろ修理したんでしょうけど、それで異形になるのもおかしいと思えたけど、確かにそのほうが雰囲気が出ていいんですよね。理屈を超えたカトキハジメさんのこだわりをいただいたということです」

TVシリーズ第15話の作画的な背景を踏まえ、オリジナルへのリスペクトを込めつつカトキさんの手によってアップデートされたドアン専用ザクは、いかなる活躍を見せるのだろうか。

また、サザンクロス隊が乗り込むことになる高機動型ザクは、大河原邦男氏がこの映画のために新たにデザインしたもの。こちらも安彦監督の強いこだわりが込められている。

「ザクっていうのは地球では基本的にノッシノッシと歩くキャラクターなんです。地上で動きが素早いモビルスーツとなると、どうしてもドムが頭に思い浮かぶんです。あいつらはホバークラフトでスライドするような動きが得意で速い。でも、ドムが出てくるにはちょっと時期が早いなと。それで大河原さんには『ドムの前の世代にあたるようなザクを作ってくれませんか』とお願いをしたんですよね。

脚にノズルが付いていて浮力が発生して動くんですけど、具体的なイメージをどうお伝えすべきかちょっと悩ましかったんです。それで思いついたのがスケーターの動き。大河原さんにそれをお伝えして、その登場シーンの絵コンテを担当してもらった副監督のイムガヒさんにも『スケーターの動きを意識してください』とお願いしました。そこのシーンは割といい感じに仕上がったんじゃないかなと思います」(安彦監督)

主人公アムロ・レイが操縦するRX-78-02 ガンダムがどんな活躍を見せるのかも、ファンにとっては気になるところ。

「この映画は何と言っても『THE ORIGIN』でお見せできなかったガンダムが活躍する話ですから、どうやったらかっこよく登場させられるかにも、けっこう気を遣ってます。僕は世代が古いものですから、昔の任侠映画のノリが欲しいと思っていたんですよね。この映画のガンダムは、高倉健さんというより鶴田浩二さんだねって言ってます(笑)。

とは言っても物語の中心はドアンでありドアンのザクなので、ガンダムの活躍は限られてます。アムロも制約の多い状況下に置かれることになりますからね。その限られた登場シーンでいかにガンダムをガンダムらしく見せられるか。最近は宇宙空間で光モノが派手に飛び交うような戦闘が多いと思うんだけども、今回はローテクっぽく、まさに大地に立って戦う作品になっています」(安彦監督)

そのヒントとなりそうな関連場面カットが併せて公開された。アムロ・レイが操縦する78ガンダムがビーム・サーベルを2本構える姿、ドアン専用ザクが攻撃する瞬間、さらには高機動型ザクがルッグンにぶらさがる様子や激しく交戦するシーンが明らかになり、特に78ガンダムの佇まいからは安彦監督が語る「任侠映画のノリ」が伝わってくるかのようだ。

今までとは一味違う「大地に立って戦うMSバトル」がいかなる展開となるのか、『ククルス・ドアンの島』に秘められた魅力は今後さらに明らかになっていくことだろう。

>>>白熱のMSバトル! ドアン専用ザク、78ガンダム、高機動型ザクの名場面を見る(写真23点)

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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