• 『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』こだわりのOP制作秘話
  • 『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』こだわりのOP制作秘話
2022.04.08

『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』こだわりのOP制作秘話

(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT


――今回のOPで水﨑さんご自身が一番やりたかったのは、どういう部分でしょうか?

水﨑 そうですね、徐倫の糸をたどってストーリーを見せていく演出自体が、今回一番やりたかったことなんですが……シーンという意味では、原作の中で一番やりたかったシーンは今回のアニメの範囲外でして(苦笑)。なので、このOPに限って言えば、刑務所内の通路を通過するときに、モブキャラたちが次々に登場して、みんなかわいらしくリアクションするくだり。「これが『ストーンオーシャン』らしさだな」と僕はちょっと思っているんです。

――それは、どういう意味ですか?

水﨑 僕が読者として、「ストーンオーシャン」で一番すごいなと感じたのは、冒頭から半分以上、監獄の中でストーリーを引っ張ったところです。たぶん、監獄の中にいるキャラクターの濃さなんでしょうけど。そういう意味でも、今回のOPでは、徐倫チームだけじゃなく、所長や配膳係みたいなモブキャラも推して描きたかったんです。

――たしかに、この場面でのモブキャラの存在感はすごいです。しかも、本編では考えられないくらい、かわいいイメージで(笑)。

水﨑 曲調がアメリカンポップス風だったので、明るいチアダンス的なイメージをちょっと連想しました。その雰囲気を盛り込んだシーンがどこかにほしいなと思った結果が、ここになりました。

――考えてみたら、監獄だけど女子房ですからね(笑)。

水﨑 そうなんです。女囚たちが指ハートを作っていたり、両手で下を指差したりしているポージングは、TikTokとかで最近の子たちが楽しんでいるようなカルチャーと、『ジョジョ』をコラボさせたいという意図もありました。このあたりは、社内の若いスタッフに資料を集めてもらって、ベテランアニメーターがそれを頑張って描いているという、不思議な図式でしたね(笑)。

――それでは最後に、ファンにひと言メッセージを。

水﨑 『ジョジョ』って、世代が変わり主人公が変わってもちゃんとブランドが生き続けている、日本でも珍しい作品だと思うんです。アニメのほうも、僕らが最初に携わってから10年が経ち、取り巻く環境がずいぶん変わりました。作品自体、メインプラットフォームがNetflixになったりしていますが、10年前のままではない「今」の演出で、ちゃんと新しいものとしてお届けできていると思います。原作を知らない世代の方でも、この「ストーンオーシャン」からでも観れば、きっと「20年前の原作とは思えない!」と驚きを感じるはずです。時代が変わっても『ジョジョ』はいつまでもかっこよくておしゃれだと、僕らがしっかり証明できていたら嬉しいですね。

(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事