• 『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』こだわりのOP制作秘話
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2022.04.08

『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』こだわりのOP制作秘話

(C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険THE ANIMATION PROJECT


――ところどころ、これまでのシリーズの要素が散りばめられているのは、「ストーンオーシャン」がジョースター家の総決算だからでしょうか?

水﨑 過去のシリーズの要素を持ってこようという意図は、実は僕自身にはそれほどなかったんです。「ファントムブラッド」のときと状況が違うのは、「ストーンオーシャン」のOPのスタッフには「『ジョジョ』のOPが好きで神風動画に入りました」と言ってくれるメンバーがけっこう多くて。ファンがそのままスタッフになっているので、僕の知らないところでメチャクチャ愛が詰め込まれているんです。

――今回、演出的に特に意識した部分は?

水﨑 意識したのは、リズムに合わせた色の変化ですね。今まであまりやってこなかった手法なんですが、「ストーンオーシャン」は『ジョジョ』初の女性主人公ですし、登場人物たちも女性が多いので、明るく華やかなトーンにしたいなと。あとは曲の印象もあって、監獄の中だけどポジティブに過ごしているイメージも含めています。それと同時に、荒木(飛呂彦)先生の描かれるイラストって、キャラクターの色味が固定されていなくて、例えば徐倫の髪の色もピンクだったり紫だったり緑だったり、本当にさまざまなんです。アニメ本編でも「シーン特色」として部分的に色を変えていますが、せっかくだからOPではあえて基準色を決めずに、いろいろな色の徐倫を出してしまおうと。なので、徐倫の髪の色はめまぐるしく変わっていきます。荒木先生のカラフルな画風と、女性らしくポップにかわいらしくという要素を詰めこんだところが、今回のウリなのかなと自分では思っています。

――今回は、これまで以上にカメラがめまぐるしく動き回っているのも特徴です。

水﨑 カメラが動く分、逆にキャラクターは動かさないという制約にしています。キャラクターが動きながらカメラも動くと、あまりかっこよくない絵面が生まれてしまうので。今回はキャラクターを固定させて、カメラがどの角度から撮ってもキャラクターの見映えがいいように――という部分に集中して作ることにしました。おかげで、カメラの自由度が少し上がったかなと思います。

――サビ前あたりで、徐倫の星のアザに合わせて糸が星形を作っていきながら、「ファントムブラッド」から「黄金の風」までの印象的なモチーフを一辺ごとに見せていく場面は、秀逸なアイディアだと思いました。各シリーズのモチーフはどういった感じでチョイスされたのですか?

水﨑 みんなでアイディアを出し合っていく中で、CGIディレクターの宇都宮隆文くんが「今回のタイトルは『ストーンオーシャン』だけど、今までの『ジョジョ』も全部石が絡んでいますよね」と提案してくれて、「なるほど、そうだな」と。

――すると、すべて石絡みのモチーフなのですか?

水﨑 実はそうなんです。「ファントムブラッド」は石仮面、「戦闘潮流」はエイジャの赤石、「スターダストクルセイダース」は一見分かりにくいですけど、ヴァニラ・アイスです。ヴァニラ・アイスが太陽の光を浴びて、石になって壊れていくシーンが好きだったのと、エジプトという街自体が石造りの建物が多い印象だったので。「ダイヤモンドは砕けない」は、シアーハートアタックや猫草などのラスボスモチーフが目立ちますが、これらはすべてダイヤモンドの面に反射して映っているという設定です。ダイヤモンドも石ですからね。「黄金の風」の矢も、矢じりは鉱物=石で、そして今回が「ストーンオーシャン」と。「『ジョジョ』って、本当に石との宿命があるんだな」と思ったので、ここに入れたシーンは全部「石縛り」にしてみました。

(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員会

アニメージュプラス編集部

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