• アニメ映画史上に残る万感のラストシーン!『劇場版 銀河鉄道999』が放送に
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2022.04.01

アニメ映画史上に残る万感のラストシーン!『劇場版 銀河鉄道999』が放送に

(C)松本零士/零時社・東映アニメーション


少年は彼女の名を叫び続ける

ストーリーの詳細はあえて書かないが、ラストシーンで描かれるのは鉄郎とメーテルの “別離” だ。
鉄郎をひとりホームに残し、メーテルだけを乗せて走り出す999号。
静かに見守っていた鉄郎はやがて感極まって、全速力で列車をーーメーテルを追い掛けはじめる。
鉄郎の表情は、はじめは哀しげだが、やがて穏やかな笑みが浮かび始める。
さみしさを抑え、去りゆく人を笑顔で見送る少年。
数分にわたるシーンで、鉄郎はただ「メーテル!」と繰り返し叫び続ける。
鉄郎を演じるのは野沢雅子だ。
哀しみ、寂しさ、感謝、愛情……鉄郎がメーテルと共に旅した時間のすべてが込められた、名付けようのない感情。
抑えようとしても、どうしようもなく溢れ出てくる声。
ただ、相手の名前だけを叫び続けるその声は、しかし、どんなセリフよりも激しく、鮮明に万感の思いを伝えてくる。

そして、走り去る999号のバックに流れるのは、青木望の素晴らしい劇伴。
叙情的かつ感傷的、それでいてどこか優しい楽曲に見送られるように、鉄郎の旅は終わるーーと感じた時。
長い汽笛の音が鳴り止むと、ほんの一瞬の静寂の後にゴダイゴが奏でる主題歌のイントロが流れ出す。
イントロ冒頭の高らかな音色はおそらく、発車を告げるベルだ。
その瞬間にきっと、気付くだろう。
切ない別離の物語は、少年の新しい旅立ちの物語だったのだ、と。

今回の放送でもきっと、この至高のラストシーンに多くの人が涙することだろう。
過去に本作を観たことが人ならば、当時を思い出すに違いない。
初めて観る人にも間違いなく届くはずだ。
旅をすることで大事な何かに気づき、また新たな旅に出る若者の姿は、時を超えていつでも人の心を動かす。

(C)松本零士/零時社・東映アニメーション

アニメージュプラス編集部

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