• 『王様ランキング』監督が振り返る「最終話までの道のり」
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2022.03.24

『王様ランキング』監督が振り返る「最終話までの道のり」

『王様ランキング』監督の八田洋介さんへ独占インタビュー! (C)十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会


【ストレートな作画で作る泥臭いアクションシーン】

――本作はシリーズを通して数々のアクションシーンが印象に残りました。

八田 アクションシーンでは、不格好でもいいから、一生懸命に剣を振って戦う泥臭さみたいなものは表現したいと思っていました。スタイリッシュなエフェクトで魅せるイマドキの作画というより、よりリアルで一生懸命さが伝わるストレートな作画表現で見せたいと考えていました。
そういう方向への道筋を作ってくれたのが、今井有文さんが担当した第一話のダイダとドーマスのチャンバラシーン、そして第三話で別のキーアニメーターが担当したアピスとベビンが戦うシーンです。他のアニメーターさんは、この2つのシーンを見て「この作品はこういう方向性なんだ」と汲み取って作業してくださったんじゃないかと思っています。そういう意味で、あの2人のシーンにはすごく助けられたなと感じています。

――野崎あつこさんも同じ話をされていました。ちなみに泥臭さの表現に関しては、具体的にどういった描写を意識されましたか。

八田 ボッジは素早く動けるキャラクターですが、第十八話でのオウケンとの戦いではだんだん疲れてきたり、かっこ悪い部分が出てきたりします。そういった部分は意識して取り入れていきました。

――確かに、あの場面はすごくボッチを応援したくなりました……! 第十九話の四天王とオウケンの戦いのところも、見応え十分でしたよね。

八田 あのシーンは、自分の想像以上に盛り盛りになって上がってきましたから(笑)。コンテの段階でも充分すごかったんですけれど、優秀なアニメーターさんのリレーで繋がった作画の力もあり、より見ごたえのある映像になったと思います。
あと今回海外のアニメーターさんがたくさん入ってくださったんですが、僕らとは違う感覚をお持ちで、キャラクターの動かし方も新鮮で驚きました。第十七話の、ボッジがジャンプして回転しながらオウケンの首の後ろを刺して着地するところなんかは印象に残っていますね。

――演出の部分で工夫されたところは?

八田 すごく具体的になってしまうんですが、ボッジが剣で相手を刺すとき、より分かりやすくするために、効果音や光のエフェクトを入れてもらったりしています。
さっきのボッジとオウケンの場面で言うと、効果音や光のエフェクトがないと、ボッジがオウケンの横を通り過ぎただけに見えてしまって、剣がオウケンに当たっているのかどうかが、ぱっと見では分からないんですよね。それを分かりやすくするため、効果さんや撮影さんに助けていただいています。

(C)十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会

寺林 沙樹

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