• 『王様ランキング』副監督が語る「超一級アクション誕生の裏側」
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2022.03.23

『王様ランキング』副監督が語る「超一級アクション誕生の裏側」

『王様ランキング』副監督の今井有文さんへ独占インタビュー! (C)十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会


【圧倒された梶裕貴さんの絶叫の演技】

――では、アクションに限らず自身が「ここまでこだわった!」という、お勧めの場面を教えてください。

今井 第九話で闇の中に閉じ込められたダイダが叫ぶシーンです。ダイダ役の梶裕貴さんは、アフレコの際に全身全霊で叫ばれる方だと『進撃の巨人』の頃から知っていたので、「今回も思いっきり梶さんに絶叫してもらいたい!」と思って、コンテでダイダを苦しめて苦しめて(笑)、「カットを割らずに長回しで、いかに梶さんからすごい叫びを引き出せるかが勝負だな」って思っていたんです。
ところが、いざアフレコが始まると梶さんの叫びがコンテを超えてきちゃって(笑)。「このままだと、絵が梶さんの演技に負けてしまう! まずい!」と思って、アフレコ後にすぐスタジオに戻って作画を修正しました。自分の方で梶さんの演技に合わせて表情を修正したり、担当原画マンさんが声と口の動きを合わせるリップシンクロにしてくれたりしました。

――王様ランキングのキャラ造型の魅力はどこにあると思われますか?

今井 これはやっぱりシンプルさと丸み、柔らかさに尽きるなって思っています。自分は、昔テレビでやっていた『世界名作劇場』が大好きなんです。ああいった線が少なくて影が少ないシンプルなキャラクターたちが、しっかり日常芝居するアニメって、今の時代では少なくなってきていますよね。そういう意味でも『王様ランキング』みたいなデザインは、逆に目立つし魅力的に見えます。
あと線が少ない分、動かすことでより魅力が出るデザインになっているところも大きいですね。野崎さんの描かれるキャラクターは、線一本にもすごくセンスを感じるんです。原作の漫画は絵本に近い、いい意味で平面的な世界なんですけれど、アニメは野崎さんの立体的なキャラクターと八田さんのコンテによって、世界に奥行きと立体感が生まれていると思います。

【さいごに】

――さて『王様ランキング』はいよいよ最終話を迎えます。今井さんお薦めの見どころは?

今井 最終話は、Aパートの金(世俊)さん、Bパートの八田監督の演出がすごく良くて、個人的に大好きなんです。
『王様ランキング』って途中から辛い話が多くて――特に第十八・第十九話辺りはそうだったと思うんですが、ボッジ、ダイダ、ミランジョ、ボッス王、それぞれのドラマがどういう決着を迎えるのか、視聴者の方には最後まで見届けてほしいです。観て損はさせません!

>>>四天王や冥府三兄弟も! 胸アツなシーンを、第一話から最新話までの場面カットで振り返る(画像29点)

(C)十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会

寺林 沙樹

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