• 水瀬いのりが共感した『阿波連さんははかれない』の優しい世界
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2022.03.19

水瀬いのりが共感した『阿波連さんははかれない』の優しい世界

他人との距離をはかるのが苦手な女の子・阿波連れいなを演じる水瀬いのりさん 撮影/井上大輔


――寺島さんとの本格的な共演は今回が初めてですか?

水瀬 共演自体はありますが、ここまでしっかりと二人でというのは初めてでした。

――今作を通して、寺島さんの印象が変わるようなことはありましたか。

水瀬 寺島さんってすごく優しいんですよ。アフレコ現場でもそうですけど、アーティスト活動の音楽イベントでお会いした際にも気さくに声を掛けてくださるし、今回のアフレコもまったく先輩感を出さず、本当に色々サポートをしてくださって……収録毎にお菓子を差し入れては「どんどん食べなよ」「どんな味だった?」なんて細かい気遣いをしてくださいました。

今作は、二人で本当に繊細な人間関係の構築ができたと思います。れいなちゃんとライドウくんを通して、私たちの絆も深まったんじゃないかなと感じています(笑)。

――寺島さん演じるライドウは、いかがでしたか。

水瀬 寺島さんの声で読まれたライドウくんの「~じゃね」というツッコミは「なるほど、この温度感か」としっくりきました。寺島さんのお芝居で、私も自然とれいなちゃんになれた気がします。

――水瀬さんから見て、ライドウはどんな男の子だと思われていますか。

水瀬 いや、めちゃめちゃ面白い人ですね、惹かれます。彼もなかなか顔に出さないけれど、実は凄く想像力を掻き立てているタイプで、頭の中を覗きたくなります。

原作を読んでいない方は、彼がれいなちゃんを引っ張っていくキャラと思われるかもしれませんが、意外や「ライドウくんの方がヤバい?」なんて思うところもあって、そういう一癖あるところもこの物語の肝のような気がします。

――阿波連さんはクレーンゲームが得意という意外な一面がありますが、水瀬さんにもそんな一面はありますか?

水瀬 意外とアクティブっていうところですかね。休みの日なんかは家の中でずっと過ごしているイメージを持たれがちなんですが、実際は外に遊びに出るタイプなんです。散歩をしたり、れいなちゃんのようにご飯を食べることが好きなので、お目当てのお店に時間を気にせず並んだり……。

あと、感情の振り幅が少ないタイプに見られることが多いんですが、意外に熱血タイプなんです。ゲームで負けるとしっかり悔しいし、オリンピックを観たりしてめちゃめちゃ泣いたりするので、そこは意外に思われるかもしれませんね(笑)。

――本作で演じる中で、主役の二人に共感されるところはありましたか?

水瀬 ありました! マンガ原作ということもあって強調して描かれている部分はありますが、れいなちゃん程ではないにしろ、誰でも他人との距離をはかりかねたり、本当はこういうことが言いたいのに勇気が出なくて言葉が尻すぼみになってしまった、なんていうことはよくあると思うんです。

でも『阿波連さんははかれない』は、それをネガティブ・マイナスとしてではなく “個性” として描いてくれている作品なんです。れいなちゃんと同じような悩みを抱えていたり、ちょっと自分の殻を破りたいと思っている人にとって、二人はすごく近い目標として感じてもらえるような気がして……「誰かが自分のことをちゃんと観てくれているんだ」ということが伝わる、優しい世界が描かれています。

――収録は全話終了しているとのことですが、演じていて印象的だったシーンがありましたらお聞かせください。

水瀬 本当に毎話濃すぎて、どこも名場面なんですが……強いて注目シーンを挙げるとするなら、ライドウくんの妄想の中のれいなちゃんの暴れっぷりです。もう本当に色々な姿形になっていて(笑)、そこにアドリブを足すのは凄く楽しかったです。
アフレコをしていて、れいなちゃんとライドウくんが一緒にいる時間が増えていくにつれて、二人のパートナー感が強まっていく、その空気感を見ているだけで本当に胸がいっぱいになって幸せでした。なので最終日は、私たちだけ先に二人とお別れしちゃうような気持ちになってとても寂しかったです。

――最後まで演じ切って感じた、作品の魅力とは何でしょうか。

水瀬 人間関係の広がり方、人との交流で生まれる感情の動きの表現に加えて、本当の自分を知るきっかけを誰かが与えてくれるということがすごくポイントになっているところです。想像もしていないことが、自分の今後の人生を大きく変える出会いに繋がっているかもしれない。ちょっと勇気を出すことで、自分の未来が変わるかもしれない、ということを感じさせてくれる物語になっています。

二人の繰り広げる日常は、皆さんの日常のどこかにあるんだと思います。誰かと近い距離で話す・交流する・コミュニケーションをとるということの大切さを改めて感じ取っていただけたら嬉しいです。

水瀬いのり(みなせ いのり)
12月2日生まれ。アクセルワン所属。主な出演作は『ご注文はうさぎですか?』(チノ)、『Re:ゼロから始める異世界生活』(レム)、『魔王城でおやすみ』(スヤリス姫)『ヴァニタスの手記』(ジャンヌ)など。

水瀬いのり 撮影/井上大輔

>>>『阿波連さんははかれない』場面カット&水瀬いのりさん撮り下ろし写真を見る(写真16点)

(C)水あさと/集英社・BILIBILI

アニメージュプラス編集部

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