• 手塚治虫が令和の災厄を予言した!? 異色のヒーロー作品『サンダーマスク』
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2022.02.18

手塚治虫が令和の災厄を予言した!? 異色のヒーロー作品『サンダーマスク』

手塚治虫が唯一手がけたサンダーマスクのカラーイラストが使用された連載1回目の扉絵 (C)手塚プロダクション

手塚治虫のヒーロー漫画の異色作『サンダーマスク』が、誕生50周年を記念し、復刊ドットコムより雑誌連載時仕様&レア素材満載のオリジナル版として、2022年3月に刊行される。
なぜ本作は「異色作」とされているのか、そして本作と現在の興味深いリンクについて紹介してみたいと思う。

異色作の理由とまず挙げられるのが、手塚治虫が珍しく手がけた特撮ヒーローのタイアップ作品であること。1972年10月3日から1973年3月27日まで日本テレビ系列で放送された同名の特撮ヒーロードラマと同時進行した本作は、『週刊少年サンデー』1972年10月8日号から1973年1月7日号まで連載された。

テレビ版『サンダーマスク』は、手塚の作品『魔神ガロン』の実写ドラマ化企画から派生して誕生したヒーローで、虫プロダクションに所属していたスタッフを中心に設立された「ひとみプロダクション」によって全26話が制作。地球征服を企む暗黒宇宙の魔王・デカンダの野望を砕くため、1万年の眠りから目覚めたサンダー星連合の戦士・サンダーマスク。普段は青年科学者・命光一に姿を変えて科学パトロール隊に協力しながら、デカンダが放つ魔獣たちと戦う彼の勇敢な活躍が描かれた。
シリーズ監督に『ゴジラ』の本多猪四郎、また『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』などを手がけた上原正三、藤川圭介が脚本で参加するなど、70年代特撮ヒーローブームの一翼を担った作品でありながら、一度もソフト化されていない上に再放送の機会もないことから「幻の特撮ヒーロー作品」としてその名を轟かせている。

そんな『サンダーマスク』の漫画版の主人公は、何と手塚治虫本人。漫画家・手塚は、名古屋でのSF大会から帰る途中、謎の巨大怪物に襲われたことから、一夜をSFファンの青年・命光一のもとで明かすことになる。そこで先程の怪物と戦う謎の生物を目撃、その正体は、高瀬博士が発見したガス状の生命体「サンダー」に身体を貸した光一だった。サンダーはやはり宇宙から飛来した生命体「デカンダー」と戦っていたことが判明し、手塚はサンダーに協力を約束する。地球滅亡に繋がるというデカンダーの抱える秘密とは、果たして……。

(C)手塚プロダクション

アニメージュプラス編集部

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