• 『ヴァニタスの手記』洗練されたED曲に注目! EDアーティスト〈モノンクル〉インタビュー
  • 『ヴァニタスの手記』洗練されたED曲に注目! EDアーティスト〈モノンクル〉インタビュー
2022.02.18

『ヴァニタスの手記』洗練されたED曲に注目! EDアーティスト〈モノンクル〉インタビュー

モノンクル/撮影=荒金大介

吸血鬼(ヴァンピール)が存在する19世紀フランスを舞台に繰り広げられる、吸血鬼の青年・ノエと吸血鬼の専門医を自称する青年・ヴァニタスの物語、『ヴァニタスの手記(カルテ)』。
緻密に構築された世界観や独特の吸血鬼解釈、魅力的なキャラクターのドラマ、そしてボンズによる卓越したアニメーションで人気の作品だ。
そして本作は、非常に洗練されたOP&ED曲も話題となっている。
そこで今回は、1月から放送中の第2クールでED曲『salvation』を担当するモノンクルのインタビューをお届けしよう。
モノンクルは、詩情豊かなポップスにジャズのエッセンスを交えつつ、ジャンルにとらわれない極上の音楽を発信するソングライティングデュオ。
高い歌唱力・演奏力と洗練されたセンスで高く評価される彼らは、初のアニメED曲にどんな気持ちで挑んだのだろうか。
▲モンンクルのメンバー、左が角田隆太(Bass)で右が吉田沙良(Vocal)。

●原作から読み取ったキーワードは「救い」●

ーー今回『ヴァニタスの手記』のEDテーマを依頼されて、最初にどんなお気持ちでしたか。

角田 監督さん(本作の監督・板村智幸)が僕らを気に入ってくださっての起用ということだったので、本当にありがとうございます! という気持ちでした。

吉田 そう、純粋に嬉しかったです。

ーーお二人は普段は、アニメはご覧になるのでしょうか?

吉田 私は結構、観てます。転生ものとかも好きですし、Netflixで配信されているものなどを中心にいろいろと。ただ、最近はあまり観ていなくて……『ヴァニタス』ばかり観て、他の作品はあまり深掘りできてないです(笑)。

角田 僕は『ヴァニタス』で久々にアニメを観させてもらいました。久々だったこともあって、すごく楽しませてもらっています。

ーー曲を作るにあたっては、作品のイメージをベースに?

角田 そうですね。今、コミックスで出ている範囲で原作を読ませていただいて、そこからイメージをしていきました。

吉田 原作を読んで、まず舞台の作り込みや設定がすごくしっかりしているマンガだなという印象を受けました。私は理解力がそれほど高くないので読むのはゆっくりですが、何回も読んで「なるほど、これはこういう意味で……」としっかり読み解いていったらめちゃめちゃハマりました。没入感がヤバいし、それぞれのキャラクターの魅力もわかってくると、とてもハマっちゃう作品ですよね。

角田 舞台設定が19世紀のパリということもあって、人物名や言葉も普段僕らが使わないようなものがたくさん出てくる。それを覚えて入り込んでしまうと、ものすごく違う世界が開けてくるなと感じました。

吉田 それに、私は吸血鬼ものが大好きで。でも『ヴァニタス』は(他の吸血鬼もの作品とは)違って、“不死” というところにあまり着目していない。そこも新鮮でおもしろいなと。

ーー曲を作るにあたっては、作品のどんなところから着想を得てイメージを膨らませたのでしょうか。

角田 曲のタイトル『salvation(サルベーション)』には「救い」という意味があるのですが、原作を読ませていただいて僕は、「救い」というものをどう扱うか、「救い」とはどういうものなのかが問いかけられていると感じました。そこを自分の中で丁寧に掘っていったという感じです。

吉田 角田さんが「救い」というテーマに焦点をあてて曲を作っていたので、私は普段の歌い方よりももう少し強くというか、はっきり歌おうと思って歌ったんです。アニメのEDに曲を使っていただくのははじめての経験なので、そういう感じ……という言い方はおかしいですが、“これがアニメのEDになる” という気持ちで歌いました。

ーー“EDになる” という気持ちの歌い方、具体的にはどんな歌い方なのでしょう?

吉田 何でしょうね……エッジを効かせるというか、ちょっとスレているというか……。

角田 毒を出す感じ?

吉田 そう、悪い意味ではなく毒を出す感じ。そんな感覚で歌いました。

ーー曲を作っていく上で苦労したことはありましたか。

角田 最後「救いの日を信じて」という詞で終わるのですが、そこをどうするのかかなり悩み続けた記憶はあります。

吉田 「救い」という言葉が最初は歌詞の中になかったんですが、やはり敢えて「救い」という言葉を使ったほうがいいのかどうか、というところですよね。でも、やっぱりはっきりに言葉にして歌ったことで、核ができたのかなと思います。

ーー『salvation』というタイトルと歌詞の「救い」という言葉で作品とのリンクが強まって、聴く側としても「この作品のEDだな」という印象が強まった気がします。

吉田 ああ、嬉しいです!

角田 まだコミックスが出ているところまでしか原作を読んでいないので、今後どうなるかはわかりませんが……僕が感じたのは、誰かにとっての「救い」が他の人からしたらバッドエンディングかもしれないし、本当に個別性のあることなんだなということ。そんなことも曲に落とし込めたらいいなと思いました。

(C)望月淳/SQUARE ENIX・「ヴァニタスの手記」製作委員会

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事