• 花江夏樹が『グッバイ、ドン・グリーズ!』に込めた「若さゆえの過ち」
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2022.02.16

花江夏樹が『グッバイ、ドン・グリーズ!』に込めた「若さゆえの過ち」

(C)Goodbye,DonGlees Partners


――花江さん御自身には、若い頃にロウマのような青春時代の思い出があったりしますか?

花江 そうですね、僕も学生時代、特に高校生の時は学校外であれこれやることが多かったです。もっともロウマは外に出てカメラで撮影する趣味があったりするんですけれど、僕はゲームに熱中して家で楽しく過ごすという感じで(笑)。

――学生時代の冒険で、何か思い出すことはありますか。

花江 あまり地元から出なかったのでそこまでの冒険はしてないですけれど、小学生の頃は公園の森の奥に秘密基地を作ったりとか、そういうのはやってました。

――では、ロウマが抱える悩みで花江さん自身に重なるものはありましたか。

花江 「これから先、何しようかな」とか、そういう悩みはやっぱり人並みにあったし、あと他人から言われて自分の考え方が変わったりなんかは学生時代に結構あったんじゃないかなと思います。
でも、僕の場合は好きなことはドンドンやっていくタイプだったので、似てるようで似てないのかもしれないですね(笑)。

――作品内のロウマとトト、ドロップの関係性については、どう思われましたか。
▲何事にもポジティブ思考で取り組むドロップ(左)と、親の跡を継ぐべく東京で勉強に励む真面目タイプのトト。

花江 子供の頃から遊んでいたロウマとトトの間にドロップっていう子が増えて、お互いのことを気にかけつつも、今は楽しいことをしたいという気持ちと「このままでいいのか」という気持ちを併せて持っている中、お互いにそれぞれの弱さを補い合うという、ちょっと難しい関係だと思います。

――共演された梶裕貴さん、村瀬歩さんの本作での印象はいかがですか。

花江 お二人ともキャラを作りこみ過ぎず、上手く演じられていましたよね。あと、今回は特に「若いな」って思いました。

――それはどういう部分が?

花江 声じゃなくてテンポですね、会話が若い。畳み掛けるようにずっと喋ったり、言葉遣いだったり、そういう部分が本当に上手いな~、と。

――もし花江さんが梶さん・村瀬さんとロウマたちみたいな冒険をしたとしたら、どんな道中になると想像されますか?

花江 お二人とプライベートで遊んだことが1回もないんですよ。それは逆に新鮮ですね……多分、梶さんが仕切ってくれるんじゃないですか(笑)。僕は先輩がいると任せっきりにしちゃうタイプなんです。そもそも梶さんはすごく優しいし、場を盛り上げるのが得意なので、そこに甘えてしまいそうです。村瀬君はたまに……「たま」じゃないですね、「よく」変なことをしている(笑)、面白い感性の持ち主なんです。旅の中で思い出に残るハプニングの1つや2つ起こしてくれそうですよね。

――まさにドロップそのままのキャラクター。

花江 そうですね! で、僕はそういう現場をただ楽しむだけのガヤ役ですかね(笑)。

――いしづか監督の作品の魅力は、どんなところにあると思いますか。

花江 いろんな部分がリアルだな、と思いました。もちろんファンタジーの要素もあるんですけれども、成長途中の子供たちの好奇心だけで動いている感じとか、無鉄砲さみたいなところがちゃんと表現されていて。
あと、面白いことは言ってないんですけれど心地いい会話の場面が結構あるんです。それって実際に仲の良い友達と話している感じがすごくするんですよね。

――本作ではドロップの言葉がロウマとトトの人生を変えていきますが、そんな風に花江さんの人生を変えた出来事・言葉は何かありましたでしょうか。

花江 うーん、何だろう……バイト時代に「自分、声優になりたいんですよね」と言っていたらバイト先の店長に「絶対無理だ」と言われて、めちゃめちゃムカついて「絶対になってやる!」って思いましたけれど(笑)。

――花江さんから見た、本作の推しポイントは?

花江 美術がすごく綺麗です。花火だったり滝だったり、背景だけのカットだけでも見応えがあるというか、何かを物語っている感じがして、推したいですね。
▲幻想的なアイスランドの風景。ひと夏の冒険は、いかなる形でロウマたちをこの地に誘うのか。

――作品、もしくはロウマというキャラクターを通じて自身が学んだことは何かありますでしょうか。

花江 この仕事をし始めてから自分から積極的に動くっていうことを年々忘れていってるのかな、みたいな風に思っていて。ノリで生きるパワーっていうんでしょうか、やっぱりそれは歳を重ねるごとに減っているような気がしているんですね。ロウマみたいに親に黙ってドローンを取りに山中に大冒険に行く、みたいなことをやっていかなきゃいけないのかなって思いましたね(笑)。
あと、そういうことが一緒にできる仲間とか友達っていうのはかけがえのないもので、そんな人たちと本当にいつも一緒にいられること自体がすごく素敵な事なんだなっていうことを改めて感じました。

>>>キャラに、美術にグッとくる『グッバイ、ドン・グリーズ!』場面カットを見る(写真30点)

(C)Goodbye,DonGlees Partners

アニメージュプラス編集部

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