• 花江夏樹が『グッバイ、ドン・グリーズ!』に込めた「若さゆえの過ち」
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2022.02.16

花江夏樹が『グッバイ、ドン・グリーズ!』に込めた「若さゆえの過ち」

(C)Goodbye,DonGlees Partners

多くの感動と絶賛を呼んだTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』(2018)を手がけた、いしづかあつこ監督の最新作『グッバイ、ドン・グリーズ!』が、2月18日(金)に遂に待望の公開日を迎える。

夏休みを迎えた東京から少し離れた田舎町で、少年・ロウマは東京に進学している親友トトと再会を遂げる。中学の時に結成したチーム「ドン・グリーズ」久々の勢ぞろいだ。さっそくチームに新たに加わったドロップと共にドローンを使って花火を楽しもうとしたが、結果は散々な上に山火事の犯人として疑われる羽目に。身の潔白を証明するため、3人は行方不明になったドローンを探しに行くことに。その小さな冒険は、3人にとって決して忘れられない出来事となっていく――。

本作はいしづか監督が脚本も担当した初のオリジナル劇場アニメ作品で、キャラクターデザインの吉松孝博、制作スタジオのマッドハウスと「よりもい」スタッフが再結集。花江夏樹、梶裕貴、村瀬歩、花澤香菜ほか豪華キャストが集結したことも大きな話題を呼んでいる。
編集部はロウマを演じた花江夏樹さんへのインタビューを敢行、本作のオーディションから作品の印象、そして自身とロウマが重なる部分などについて、お話をうかがいました。
▲周囲に馴染めず自分にも自信が持てない少年ロウマは、帰省するトトとのドン・グリーズ復活を楽しみに待っていた。

――『グッバイ、ドン・グリーズ!』という一風変わったタイトルを見た、また脚本を読んだ印象をお聞かせいただけますか。

花江 タイトルを見て最初に思ったのは「ドン・グリーズっていうのが、いろいろひどい目に会ってお別れする話なのかな」って(一同笑)。でも、字面から伝わってくる映画の方向性は何となくわかったんですね。何て言うんだろう……ジュブナイルというか、少年たちの冒険みたいなものを感じたんですけれど、脚本を読んで演じ終わってからこのタイトルを見直した時、また違った意味なんだなと感じたんですね。

――今回はオーディションでの決定とのことですが、どのように臨まれましたか。

花江 スタジオでメインキャラクターの3役――当初はロウマとドロップだけだったんですが、当日になってトトのオーディションも受けました。自分としてはロウマかな、という感触がありましたので、決まって嬉しかったです。
だいたいオーディションの資料だとシーンごとの台本、さらにあればその場面だけの映像ということが多いんですが、この作品に関しては最初から全編見せてもらえて。作品の全体の流れや雰囲気が伝わってきたので、下準備を重ねて丁寧に作られた作品なんだな、というのが理解できて、かえってオーディションも緊張しましたね(笑)。

――本作のオーディションの際に、花江さんは事前にどのような準備をされていたのでしょうか。

花江 彼らは高校生なので、自分はそのくらいの年齢の時どんな風に喋っていたかな、みたいなことを思い出しましたね。実際には大人になっても、仕事の場でもない限りそこまでしっかりハキハキと喋ることってないじゃないですか。なので自分が日常でどんな風に喋っているのかを思い浮かべながら、細かい部分や喜怒哀楽の部分でそういう若さの記憶を出していこうと考えました。もっとも熊に襲われる、なんていうのはさすがに特殊な状況ですけれども(笑)、それ以外の部分は自分が経験してきた中で似たようなものがあったことを踏まえて想像を膨らませて演じましたね。

――自分でも「ロウマかな」と思われたということですが、彼の魅力はどういうところにあると考えますか。

花江 (3人の中で)一番声を作らず、地声でキャラクターを出せるのがロウマだったんです。地声でやれる分だけ自分のやりたい表現を見せられると思いました。

――絵が完成した中でのアフレコということで、普段とは違う演じ方になった部分などはありますでしょうか。

花江 (キャラの)表情がついているので、すごく分かりやすかったです。ただ後から映像を大幅に直すことは難しいということで、口パクはキッチリと合わせないといけないわけです。自分が気持ちいいと思える間じゃない場合もあるので、そこをピッタリ合わせに行くのは神経を使うというか、集中しなければいけないポイントでしたね。

――いしづか監督やスタッフからアフレコ時のディレクションで印象的なものはありましたか?

花江 先ほどもお話した部分につながりますが、ちゃんとし過ぎないというか「日常的な会話を心がけるように」とディレクションいただいたかと思います。あとは、こういう年齢の子達って大人からしたら「本当に危ないからやめなさい」っていうことを平気でするし、好奇心で動いたり無計画に行動したり、観ている人からしたら少しイラっとくるようなところもあるかもしれないんですけれど、(キャラクターを)良い子にしないでそういう部分も表現できるような作品にしたい、と監督がおっしゃられていて。そういう「10代の若さゆえの過ち」というところが出せるように気を付けました。

――具体的にはどういう部分で、それを表しましたか?

花江 ロウマは、人の話を聞いてないのに聞いてる風に返事をするところがあるんですね。会話のポンポンポンポンという流れで「お前、本当にそれ興味あんのか?」みたいな聞き方とか失礼な態度をとっている。やっぱり自分の学生時代にも、友達と話しているのに自分の好きなことを考えちゃったりしていることがあったなーって思うんです。遊んでる時にちょっと携帯をいじったりゲームをしたり……仲がいいからこそできることなんですけれど、そういうところはちょっと自分で考えてやりましたね。

(C)Goodbye,DonGlees Partners

アニメージュプラス編集部

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