• 安彦良和初監督作『クラッシャージョウ』は娯楽第一のアクション快作!
  • 安彦良和初監督作『クラッシャージョウ』は娯楽第一のアクション快作!
2022.02.12

安彦良和初監督作『クラッシャージョウ』は娯楽第一のアクション快作!

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

2月13日(日)19時より、BS12トゥエルビ『日曜アニメ劇場』で『クラッシャージョウ』HDリマスター版が放映される。本作は高千穂遙の人気スペースオペラ小説シリーズを原作にした劇場アニメーション、そして原作の表紙イラスト・挿画を担当する安彦良和の第1回監督作品である。

西暦2160年代――それは人類が恒星間飛行を可能にし、太陽系国家を築いていた時代。そんな宇宙に暮らす人たちの中に “クラッシャー” と呼ばれる一団がいる。彼らは犯罪以外なら報酬次第でどんな危険な仕事にも従事する、知力体力に優れた宇宙の何でも屋として活躍していた。
本作の主人公であるジョウは、クラッシャー創設者・ダンを父に持ち、19才にしてチームリーダーとして活躍する有能なクラッシャー。元惑星ピザンの王女でありながら押しかけ状態で仲間に加わったアルフィン、体の80%をサイボーク化した巨漢・タロス、小さくてすばしっこい新米リッキーと共に、愛機「ミネルバ」を駆り宇宙を飛び回る日々を過ごしている。
▲右からジョウ、アルフィン、リッキー、タロス。

ある日、ひと仕事を終えたばかりのジョウたちに突然の依頼が飛び込んだ。難病の令嬢を収めた冷凍睡眠カプセルを運ぶだけの簡単な仕事のはずだったがワープ作業中に異変が発生、ミネルバは思いもしない場所へと転移してしまう。気絶したジョウたちが目を覚ませば、依頼主と荷物はもぬけの空。現場に現れた連合宇宙軍のコワルスキー大佐は彼らを海賊と疑い、さらに規約を破ったことからクラッシャー評議会議長であるダンより6カ月の資格停止処分を受けてしまう。
自分たちの無実を晴らすため、入手した情報を元にジョウたちは無法の惑星ラゴールへと向かう。そこでは悪名高き海賊 “マーフィパイレーツ” が、彼らを待ち構えていた――。

劇場版『機動戦士ガンダム』の大ブームを受けて、サンライズ(当時は日本サンライズ)初の完全新作オリジナル劇場作品として制作された本作で、安彦は監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザイン・作画監督の5役を兼務。原作のビジュアルイメージを担っている安彦が大きく関わったこと、また『ガンダム』での仕事が広く知れ渡ったことから、アニメ化の情報が出た段階からファンから大きな注目が集まった。ストーリーは本作のために高千穂・安彦によるオリジナル脚本が書き下ろされ、高千穂によって『虹色の地獄』のタイトルでノベライズ化されている。

安彦本人としては、本格的なスペースオペラという題材に自分が向いていないという自覚があり、「あまりアクティブではなく、受け身な形で進めていったように思う」(安彦良和・石井誠『安彦良和 マイ・バック・ページズ』より)と本作での作業を振り返っているが、大予算傾向のある劇場アニメの姿勢に疑問を呈して小規模の予算・スタッフで作るという目標を掲げ、自身の個人スタジオである「九月社」を中心にして2年にわたる作画作業を進めるなど、独自の取り組みを行っている。

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

アニメージュプラス編集部

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