• 『君が見た夢の物語』はこれまでにない楽曲【ASCAインタビュー】
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2022.01.26

『君が見た夢の物語』はこれまでにない楽曲【ASCAインタビュー】

ファーストEPをリリースするASCAさん

昨年末の大みそかに放送された人気アニメ「『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』特別編」の主題歌となるASCAの新曲『君が見た夢の物語』が1月26日(水)に発売される。プロデュースは梶浦由記、同アニメ作品のEDテーマとしてヒットを記録した『雲雀』以来となる強力布陣だ。
このEPには『雲雀』を梶浦由記がリアレンジした『雲雀 winter whisper version』や、「ソードアート・オンライン」シリーズの人気ゲーム主題歌『逆境スペクトル』も収録! さらに、くじらPの大ヒット曲『金木犀』のカバー曲など、聴き応えのあるバラエティ豊かな作品となっている。すべての楽曲について、ASCAさんにお話をうかがった。

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梶浦由記さんプロデュース『君が見た夢の物語』

――今回発売となるファーストEPの表題曲、『君が見た夢の物語』は梶浦由記さんの作品、プロデュースになるんですね。

ASCA 梶浦さんの曲は、大好きなんです。前回、『雲雀』でご一緒させていただいたときに、梶浦さん自身が得られた経験などや、歌を歌うことの楽しさだったりを教えていただきました。またいつかご一緒させていただきたいと思っていた夢が、ひとつ叶いました。

――今回は、どのようなプロデュースを受けたんですか?

ASCA スタジオで最初に歌ってみたときに「これはもうミュージカルだよ」とおっしゃっていたスタッフさんがいまして。梶浦さんからも歌の表現で「囁くような部分はない」と。テンションを常に上げていく、ミュージカルのような歌にしようと。囁くように歌うより、ちゃんと言葉をしゃべるように歌ったほうが、この曲、そしてASCAの声とは合うということで、レコーディングが進んでいきました。

――強めなんですが、ちょっと儚い感じのところもあって、メリハリもついていて確かにミュージカルのようですね。

ASCA ありがとうございます。その歌い方は、『ロード・エルメロイII世の事件簿』の内容とも、リンクしていると思っています。まず歌詞は、本当に作品のことを考えて梶浦さんが書いてくださっているのですが、その中に曲のテーマとなるフレーズがあるんです。2番の「終わりある場所で終わらないものを 僕らは夢に見ていいんだ」という歌詞は、ずっと憧れを追いかけているロード・エルメロイII世を肯定しているフレーズなんですよね。夢を見ていい、憧れを追っていい…作品にもとても寄り添っていますし、私たちにもとても響くフレーズだなと思います。誰だって夢を見る権利はあるし、思い続けていてもいい。私も、歌いながらとても励まされました。そして聴いてくださるみなさんにも「夢を見ていいんだ」と思っていただけるような歌になればいいなという想いを抱いてレコーディングしました。

――確かに『ロード・エルメロイII世の事件簿』とも通じる歌詞ですね。

ASCA 私はロード・エルメロイII世が大好きなんです。基本的にはとても頭を使って事件を解決していく、冷静に推理をしていくようなシーンが多いんですけれど、たまに見える昔の幼い無邪気なところ、ウェイバーの面影があるシーンはズルいなって思いますね(笑)。こんなのみんな好きになっちゃいますよ。再放送も観ていたんですが、見れば見るほど好きになるキャラクターです。

『雲雀』の新たなバージョン

――EPには、前回梶浦さんとご一緒した『雲雀』も、新たなバージョンとしてレコーディングをし直したんですね。

ASCA 前回のレコーディングから約2年経つんですが、自分のワンマンライブや、大きな会場でも歌い続けてきたんです。2021年の9月から10月までやっていたソロツアーでも、12公演すべてで『雲雀』を歌ってきました。だから、今だからこそ歌える『雲雀』があると思いましたし、せっかくまた梶浦さんにプロデュースしていただけるということで、リアレンジを梶浦さんにお願いして、今の私が歌える、届けられる『雲雀』を収録させていただきました。

――前回のものと聴き比べさせていただきましたが、今回の作品かなり感情を揺さぶられるものに進化していました。

ASCA ありがとうございます。自分としては “歌いながら見える景色が増えた” という感じです。最初に『雲雀』をレコーディングしたときは、歌詞から連想される景色、空だったりとか太陽だったりを思って歌いました。今回はそこにプラスして、ファンのみなさんの顔や、これまでのライブで見てきた景色を歌に乗せることができたと感じています。

――コンサートやツアーをやって、数多く歌ってきたからこその『雲雀』ということですね。さらに今回は、Winter whisper versionということですよね。

ASCA 梶浦さんがガシッと名付けてくださいました。原曲は温かさがあるような、春を感じさせるようなアレンジなんですが、今回の『雲雀 -winter whisper version-』は、梶浦さんのピアノメインで、後半にチェロが入ってきて、たまに鳴り物が鳴る、冬を連想させるサウンドになっているんです。すごく美しい、冬の訪れを感じるような音を作って下さいました。寒いと切なくなって、人肌恋しくなってしまうじゃないですか。それをイントロの最初の数秒で感じましたね。すごく好きです。

――これはしっかりと、ファンの皆さんに聴いて欲しいですね。

ASCA 聴き比べていただきたいです。2年前の『雲雀』は、ピュアをテーマに歌いました。梶浦さんからは「素直に、まっすぐ歌って大丈夫ですよ」というディレクションがあったんです。素直に歌ったのが『雲雀』で、『雲雀 -winter whisper version-』では、梶浦さんが「ASCAさんの声は張ったときにハスキーなんだけど、光の粒がその前にパーッとあるような、キラキラしたお声で、本当にそれがいいなと思っています。その良さを残したい」とおっしゃってくださって! なのでサビのパートは、後ろのオケが静かで自分の声がダイレクトに届くアレンジなのですが、だからこそちゃんと歌詞をはっきり届けるように歌いました。「そうするとASCAさんのいい声の成分がちゃんとのるので」と言っていただいて。もう本当に嬉しかったです。

――素晴らしいディレクションですね。

ASCA 本当にそうなんですよ。ボーカリストを褒めながら、絶対に嫌な気持ちにさせずにとてもノセてくださるディレクションを梶浦さんはいつもしてくださるので。本当に楽しかったです。


アニメージュプラス編集部

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