• 『海賊王女』第11話/特別インタビュー&クライマックス特番公開!
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2021.12.09

『海賊王女』第11話/特別インタビュー&クライマックス特番公開!

(C)Kazuto Nakazawa / Production I.G


石の謎をつきとめ、ついに「エデン」へと向かっていくフェナたち。「佳局の幕開け」を経て、たどり着いた先に待つものとは──。

最終回も見えてきた今、フェナ・ハウトマン役の瀬戸麻沙美さんにインタビュー。改めてフェナというキャラクターの魅力、アフレコ現場でのやりとり、さらには終盤に向けての見どころを伺った。

■フェナは “おしゃべりな人見知り” ? 瀬戸麻沙美さんインタビュー


──完成した映像をご覧になられた感想から、まずはお聞かせください。

瀬戸:第1話を観た衝撃はすごかったです。美術のうつくしさは中澤さん(※監督の中澤一登さん)からも聞いていました。制作中に素晴らしい画ができたときには先行して見せてくださったり、海外での配信の反応を私や鈴木くん(※雪丸役の鈴木崚汰さん)に教えてくれたりしていたので、「早く国内でも見たい!」って期待値はどんどん上がっていました。

実際に完成したものを見たら、聞き及んでいたものを超えるすばらしさでした。まずは何より映像美。美術のうつくしさと、動画の動きは驚きました。『海賊王女』は声の演技が作画よりも先に行われたのもあって、私たちのお芝居にキャラクターの表情や口をとてつもなく合わせてくれたのであろうことが伝わってきて。

まるでモーションキャプチャーのように、目や表情といった話すことにまつわる全てが連動しているのを観たとき、作品に携わった身としては、キャラクターがスタッフさんにも制作陣にも愛されて動いているのだと感じて、嬉しくなりました。

──本作はストーリーも多くの要素を掛け合わせるなど、世界観が独特です。それを一挙に感じさせた第1話だった印象を受けました。

瀬戸:台本をいただいたときから感じてはいましたけれど、第1話はその軽快さに引き込まれましたね。物語のスタートが詰め込まれた回で、フェナが置かれた環境、ここからどうしていきたいのか、そして島を脱出するまでを明かしながら、テンポ良く物語が進んでいく。それなのに見ている人に、物語を急いているように感じさせない表現がされていて。

実際にテンポは速いですし、助けに来てくれたサルマンやオットーの「人と成り」も描いているのに、ストーリーに飲み込まれていって、気づけばあっという間にシャングリラを旅立ってしまう。娼館のある街並みなど、あれほどこだわりのある世界設定を最初に映していたのに、すぐ脱出しちゃうんだ! と(笑)。

話数が進んでいくと、それだけ今後の舞台がたくさん用意されていたのもわかっていくので安心はしますが、特に第1話はその「あっさり感」が、むしろ潔くて気持ちよかったですね。第2話につながるワクワク感のある表現もすばらしく、ひとりの視聴者として圧倒されつつ、楽しんで観ていました。

──アフレコをしていたのは、どれくらいの時期でしたか。

瀬戸:1年半ほど前に最終回を録り終えたくらいです。キャストみんなでブースに入って演技ができていたのは『海賊王女』が最後だったように思います。今はコロナの影響で、他作品でもブース内に入れる人数制限がありますから。

──やはり、ブース内にキャストが集えることと、マイク本数の制限があることでは、演技の感覚も大きく変わりますか。

瀬戸:変わりますね。アニメーションには「別録り」という手法もありますから、収録することは可能です。でも、そうなるとセリフのかけ合いの「間」が演者に依らなくなり、制作されるディレクターさんや監督のさじ加減で会話のテンポが決まっていきます。

制作にあたるみなさんを信頼していますし、コロナ禍の前から採用している現場もありました。だからこそアニメ制作は、この状況でもストップせずに続けてこられたと思うので、すばらしいことではあります。

ただ、かけ合う相手のお芝居を聞けないことに、この1年半は誰も難しさを感じて、ストレスを抱えながら向き合ってきたはずです。『海賊王女』は初期の段階でキャストが集って収録できていたので、まだイメージがうまく作れました。とはいえ、実際にかけ合って隣でしゃべるのか、イメージの中で距離感を掴むのかは、やはり出てくる声に表れるものです。

『海賊王女』ほど他者との関わりが大事になってくる作品だと、よりみんなで収録したかった気持ちは大きかったです。特に、一緒に海賊船に乗っているメンバーのわちゃわちゃしたかけ合いを聞けず、私もそこに混ざれなかったのは、寂しさがありましたね。

ただ、作品後半はフェナと雪丸が揃うシーンが多く、そこでは私と鈴木くんとでかけ合って収録できたので、むしろ二人で静かに集中できたのではないかな、と思います。

(取材・文 長谷川賢人)

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(C)Kazuto Nakazawa / Production I.G

アニメージュプラス編集部

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