平井久司がイラスト寄稿！『ファフナー THE BEYOND』監督が語る裏話

――平井久司さんのキャラクター、鷲尾直広さんのメカニックに関して、本作での発注時に留意した部分やお仕事の印象をお聞かせ下さい。

能戸　打ち合わせで一応説明はしますが、彼らは既にこちらの求めているものが何か理解しているんですよね。二人とは長く『ファフナー』シリーズを一緒に作ってきていますが、それよりだいぶ前から友人であり、仕事も一緒にしてきているので「能戸が考えていることはこうだろう」ということを理解してくれているのでしょうか。

『THE BEYOND』での新規のデザインは、キャラだとマリスぐらいですかね。他は元々いたキャラが成長したもので、ベースはありましたからイメージから大きくズレることはなかったですが、「総士はポニーテールにしたい」とお願いしました。今回は何というか、剣士のイメージがあったんですよね。短髪にするとかは考えなかったなぁ。
▲総士の髪型は剣士のイメージだった！

メカも全く新しいのはアレスくらいです。でもマークザインやマークニヒトは「これ以上どうしたらいいんだ」という困難があって、これは鷲尾さんにたくさんラフを描いてもらいました。特にザインは難しかったと思います。
『HEAVEN AND EARTH』から、ノートゥング・モデルでも機体の発光部を増やしていったので、新ザインや新ニヒト、アレスは本編でだいぶ光っていますね。
▲マークニヒトの発光も一際鮮やかに。

――主題歌を担当するangelaには当初2曲のみの予定から急遽楽曲の追加を依頼したそうですが、それはどういう理由から？　また今回（十～十二話）の楽曲を聴いての感想は？

能戸　オープニング1曲、エンディング1曲だったのですが、4章に分けると決まった段階で4曲必要だと思いました。想定外なのが、追加のオープニング曲があった事、あとエンディングが5曲あった事でしょうね（笑）。

ただ自分も想定外だったのが、12話の『Separation』と『Shangri-La』。これは三間（雅文・音響監督）さんの案で、集大成感が半端なかったです。まさに完成形です。
2004年当時の音源はさすがに再トラックダウンが必要と思っていましたが、『Shangri-La』を2021年版として新たに再レコーディングしてきたangelaは流石だなぁと思いますし、頭が下がります。ありがとうございます。

――『ファフナー』は作品発表がない時期も生誕祭イベントを定期的に開いて、島民（『ファフナー』ファン）の皆さんを大いに盛り上げていました。能戸監督も足を運ばれていたと思いますが、現場の状況をどのように受けとめられていましたか。

能戸　作品の熱を絶やさないようにキングレコードさんを始め、関係各社様やキャスト陣が、毎年、何かしらしていただけているのはとても有難いです。これもまた作品への愛ゆえでしょうかね。劇団アフリカ座さんの舞台や銀座での音楽劇もありましたし、『ファフナー』を通していろんな「初めて」を見せていただきました。
そういえば2012年の音楽劇の際、XEBEC製のグッズを作った時は自分も何かやらなきゃという思いがあって、ブースで売り子をやってみたり……全てが良い思い出です。

（C）XEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT