• 平井久司がイラスト寄稿!『ファフナー THE BEYOND』監督が語る裏話
  • 平井久司がイラスト寄稿!『ファフナー THE BEYOND』監督が語る裏話
2021.12.22

平井久司がイラスト寄稿!『ファフナー THE BEYOND』監督が語る裏話

今だから語れる『蒼穹のファフナー THE BEYOND』の裏話!(C)XEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT

人類と未知の生命体・フェストゥムの何世代にもわたる戦いを描くSFアニメ『蒼穹のファフナー』。その完結編となる『蒼穹のファフナー THE BEYOND』の最終章・第十話~十二話が遂に劇場先行公開。さらにシリーズ完結を記念して12月27日・28日には『蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜」2 Daysが開催、作品に大きな節目が刻まれることとなった。

今回は2004年放送のTVシリーズ第1期から本作を支え続けてきた能戸隆監督にメールインタビューを敢行、述べ17年に及ぶシリーズ終了を迎えた現在の思い、また作品制作時の裏話、意外なトリヴィアを語って頂いた。併せて到着した平井久司さんのスペシャルイラストと共にお楽しみください。 

【ネタバレ注意!】以下のインタビューは作品のラストまで言及された内容となっています。作品をご覧になられてからお読みください。
▲一騎たちの長き戦いにも遂に終わりの時が。

――『THE BEYOND』の完結、おめでとうございます。まずは最終章となる第十話~第十二話の公開を迎えての率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

能戸 ホッとしています。いろんな事がありすぎましたが、最後まで公開できた事を本当にありがたく思っています。「作品を最後まで作る」というのは当たり前の事ですが、今回はいろんな意味で別格でした。

――本作の制作にあたって能戸監督の中に何らかのコンセプト・目標などはありましたでしょうか。

能戸 前作を越える=ビヨンドする、ですね。あとは『ファフナー』という世界を循環させようと思っていました。つまり『THE BEYOND』を観たら、またTVシリーズ2作や『HEAVEN AND EARTH』を観たくなってもらえたら良いな、と。

――本作で『ファフナー』の物語を終わらせる、ということはどういう理由で決められたのでしょうか。

能戸 制作が決まった当初は一騎、総士(傷アリ)、甲洋も人類としては別の次元に到達してしまって、この物語は行くところまで行ったという印象がありましたので、ここで終結させたかったんです。

――脚本作業において、冲方丁さんとの打ち合わせの中で印象的なことがありましたらお聞かせ下さい。作業はスムーズに進みましたか、それとも紛糾したとか……?

能戸 紛糾はしていないです(笑)。中西(豪:エグゼクティブプロデューサー)さん、須藤(孝太郎:プロデューサー)さん、冲方(丁:シリーズ構成)さんと4人でだいたい渋谷で打ち合わせしていて、終わった後に皆でご飯を食べるという感じで、和やかに進んでいきました。『THE BEYOND』に限らず、ファフナーの打ち合わせの際は、冲方さんが皆の案を聞いて具体的な道筋をつけてくれるんです。

作業自体は2016年から始めて、2018年に終えていました。どのシリーズもですが、まずスタートのイメージとラストのイメージがあって、そこに行きつく経路を考えています。今回も「ラストはこうしたい」と伝えた時、すぐ「こういうのはどうですか?」と具体的な話をしてくれた冲方さんの姿が強く印象に残っています。改めて、彼の凄さを感じました。

――『THE BEYOND』での一騎と総士の関係は、シリーズ1作目での二人の立場を逆にした合わせ鏡のようにも感じられました。人生をリセットされた総士を中心に最終章を描こうとした意図は何でしょうか。

能戸 『EXODUS』最終話の海岸で手を引いていた子供の成長を見ていただいて、新たな主人公として提示しました。なので、今作から『ファフナー』を観た方でもわかる作りになっていますし、今まで観続けた人には「もしや、これは?」と思っていただけるようなものを目指しました。

新総士は、その搭乗する機体名のとおり今までの島の方向性を否定して向き合うキャラになっていると思います。これは皮肉な事にマリスに攫われて北極の人工島で育たなければ湧いてこなかった考え方で、竜宮島や海神島の外側から見なければ、誰かの犠牲を是とした思考を変だとは思わなかったかもしれないですね。

(C)XEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事