福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズを舞台に、新人フラガールたちの絆と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』が現在、全国の劇場で公開されている。本作で、フラダンス未経験ながらプロのフラダンサーとしての道を歩むことになる主人公の夏凪日羽役を演じた女優の福原遥さんに、作品の魅力やアフレコ裏話、最近のニックネームまで語っていただいた。
【Voice Feature:20 福原 遥】――『フラ・フラダンス』という作品に関して、最初どんな印象を抱かれましたか?福原 オーディションの際に、全部ではないんですが内容を教えていただきました。その時から感じているのは、5人の女の子がみんな本当に個性的だなということ。彼女たちの絆の強さや、みんなでひとつの目標に向かって頑張るストーリーにも勇気を貰えて、前向きになれる素敵な作品だなと感じました。
――オーディション時には手応えを感じましたか?福原 全く感じていなかったです。なので出演が決まった時は、嬉しさもありましたが、びっくりもしました。「私、日羽ちゃんなんだ!」と。
――日羽役狙いで受けていた訳ではないんですね。福原 そうです。誰を演じるか決まっていた訳ではなく、複数キャラのオーディションを受けた上で、日羽ちゃんに選んでいただきました。実は「日羽ちゃんは自分と似ているな」と感じていたので、余計に嬉しかったです。
――本作のテーマであるフラダンスには、どういうイメージを?福原 小3の時にお仕事でフラダンス体験をしたことがあるんですが、体験してみるとすっごく難しくて……。その時の経験もあったので、一つ一つのポーズにも意味が込められていて、メッセージ性のある奥が深いダンスだなと感じていました。人にパワーや笑顔を届ける力があるダンスですよね。機会があれば、もう一回挑戦してみたいです。
――既に小学生の時に体験されていたんですね! では、日羽のキャラクターはどのように作り上げていったのでしょうか?福原 アフレコ時には、作画がまだ完成していなかったんです。なので、ちょっとでもイメージできるよう、色が付いた日羽ちゃんの色々な設定絵をいただいて、その絵を見てイメージを膨らませながら演じさせていただきました。あとは、ナチュラルなイメージを大切にしたいなと思って……。監督も「福原さんのイメージで良いよ」と言ってくださったので、ガチガチにキャラを決めず、みんなとの空気を感じながらやらせていただきました。
――アフレコ収録の際は、他のキャストの方もご一緒に?福原 コロナ禍ということもあって、一緒にはできなかったんです。けど、何人かの方が先に収録されていたので、その声を聴かせてもらいながら演じました。
――監督からのディレクションで何か印象に残っているものはありますか?福原 先程「似てる」と言いましたけれど、自分も日羽と同じであまり自信をもてないタイプなんです。監督に都度大丈夫か確認をとっては、「凄く良かったよ!」という励ましの言葉に支えられながら進めていた記憶がありますね(笑)。
――褒め上手な監督さんだったんですね。特に難しかったシーンはどこでしょうか?福原 うーん、どこかな……なんか日羽ちゃんは、わーっと話すタイプの子ではなくて。その代わりに息遣いで表現するところがめちゃくちゃ多かったという印象があります。(ディーン・フジオカさん演じる)鈴懸さんに思いを寄せていくところも、具体的な描写があるわけではないんですが、その気持ちを伝えないといけないんです。言葉が少ない中でのその表現は難しかったですね。
――凄く難しい表現が求められたんですね。演じる中で日羽に対する印象の変化などはありましたか?福原 演じていくにつれて、ちょっと前に踏み出せない自分に自信がない女の子が、仲間と出逢ったことで少しずつ変わっていく部分を感じられるようになりました。最後にはみんなを引っ張っていけるくらいの自信が出てきていたので、日羽は自分が思っている以上に強い女の子だったんだな、と思い直しました。