• 坂本龍一も参加!『さよなら、ティラノ』の見逃せない注目点【静野孔文監督インタビュー】
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2021.12.03

坂本龍一も参加!『さよなら、ティラノ』の見逃せない注目点【静野孔文監督インタビュー】

(C)2018 “My TYRANO” Film Partners


アーティスト・坂本龍一の職人技

ーー坂本龍一さんが音楽を担当しているのも、本作の注目点です。坂本さんとはどんなやりとりがありましたか。

静野 坂本さんもアニメーション側に寄り添ってくださいました。ちょうどハリウッド映画を同時にいろいろ手掛けていらしたと思うのですが、そちらでは作曲をする際に、音楽をしっかり合わせることができるような完成した映像素材がもらえるということで。でも、アニメーションの現場はどうしても、作曲段階で完パケしている映像をお渡しするのは難しくて。今回、坂本さんにお渡しできた素材もラフな絵や、まだ細かいところまで編集しきれていない映像でした。でも坂本さんはそこも上手く対応してくださって。「編集で映像が若干ズレたとしても、このポイントさえしっかり合わせてもらえれば大丈夫」という形で、こちらで迷わないような曲を作っていただけたので、とても助かりました。

ーーそこは、坂本さんの「職人」としての技ですね。

静野 そうですね。もちろん坂本さんは世界的なアーティストですが、同時に、映画は映画であり、最終的には音楽だけなく映像もしっかりできあがってひとつの作品となるということを熟知されているんだなと、あらためて実感しました。また、音響面でいうならばキャストのみなさんも素晴らしかったです。ベテランの方から今をときめく若手の方まで、実力派のみなさんが揃ってくださいました。韓国や中国で各国用のアフレコをする際には、日本版のキャストの演技を参考にしてあちらの声優さんが収録をするそうで。だから、本当に実力のある声優さんを選んでくれということで、今の布陣になりました。

——なるほど、日本のキャストの演技が、各国版のベースになるんですね。

静野 そのようですね。それが各国でもいちばんクオリティの高いアフレコになると、エクゼクティブプロデューサーのカンさんがおっしゃっていました。

ーーそうしたスタッフ、キャストのみなさんによってできあがった本作ですが、監督ご自身ではどんな手応えを感じていますか。

静野 手塚プロさん、ストーリーライダーズさん、BILBAの作画チーム、坂本龍一さん、声優のみなさん、安心して任せられるチームワークで、監督として作っていてもまったく心配することなく映画が完成しました。そういう意味では、制作の苦労話といった部分ではなく(笑)、エンタテインメント性やテーマ性の部分をより強く感じられる作品になっています。興味のある方はぜひ、劇場の大きな画面で観ていただけたらありがたいなと思います。



静野孔文【監督】
フェニックス・エンタテインメントで『ジャイアントロボTHE ANIMATION—地球が静止する日』の制作に参加後、3DCGの演出家として活躍。独立後はゴンゾ作品を中心に絵コンテ、演出を手掛ける。2011年に『劇場版 名探偵コナン 沈黙の15分』の監督を手掛け、以降、同シリーズ劇場版の監督を継続して担当。TVシリーズ『シドニアの騎士』(監督)や、映画『GODZILLA』3部作(監督/瀬下寛之と共同)なども手掛けている。


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アニメージュプラス編集部

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