• 古川慎が癖強めな「渇望」のミニアルバムで伝えたかったこと
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2021.11.17

古川慎が癖強めな「渇望」のミニアルバムで伝えたかったこと

古川慎さん


――英語ということで発音も苦労されたのでは?

古川 発音に関しては英語の仮歌を用意していただいたので、それを聞きながら、ここはこういう風に歌った方がカッコいいかなと工夫して練習しました。でも練習と言っても、家の中でこの曲をこのキーの通りに歌うというのは無理なんですよね。うるさいですし(笑)。なので風呂で小声で練習したり、現場の待ち時間にマスクの中でぼそぼそ練習していたのですが、本番同様の音量では練習出来ていないので、発音に関しては僕的には50点ですね……。悔しさがあります。

――50点とは思えないとても滑らかな発音でしたが、元々英語はお得意だったのですか?

古川 得意ではないんですけど、良い発音で英語を読むのが気持ち良いタイプなので(笑)、発音方法を調べたりはしています。

――今回、英訳される前の歌詞も拝見させていただいたのですが、かなり攻めたセクシーな歌詞ですよね。

古川 日本語詞はアルバムに載せない予定なので、載せないなら別に恥ずかしくないもんと思って、それなりに恥ずかしいことを書いちゃいました(笑)。日本語だと臭いセリフも英語だったらかっこよく聞こえる理論ってあるじゃないですか。確かに歌詞を書いて歌うのは自分なんだけれど、別に自分がそういう考えだというイコールにはならないんです。表現したいものがあるからそういう言葉を使っている訳で、僕がそういう考えではないよというのは前提にあります。だからこそ、楽曲に乗せて色々な表現ができると思いますし、「作品だからな、こいつは」と傘に着せてやっている部分はありますね。

――続く『灰硝子』はTHE・古川さんの楽曲!という印象をもったのですが、言葉選びなどこれまでの音楽活動で定まってきたなと思うことはありますか? 

古川 どうしても自分の好きな楽曲や興味のある楽曲がアダルティな方に寄りがちなので、アダルティな歌詞を書くことに抵抗がなくなってきたというのはありますね。それが自分の中の定まりとは、あんまり認めたくはないんですけれど(笑)。

――(笑)。他に自覚している傾向などはありますか?

古川 「夜」使いがちですね。夜ばっかり使う! 昼間とかないな~。真夏の太陽という言葉が真逆の言葉だと思っていただいて構いません。

――今回の『灰硝子』もアダルティな感じですが、どんなテーマで書かれたのでしょうか?

古川 この曲をいただいた時は既に、「物凄く強欲な故に歪んでしまった女性」をイメージした仮歌詞が入っていたんです。なのでそこからイメージを膨らませていったのですが、歪んだ女性の歌詞を書いていると楽曲のテイストも相まって、どんどんどんどん、みだらな方向に向かっていくんですよね(笑)。「そういうことじゃないんだ」と思いながら、携帯に歌詞を打ち込んでは消し、打ち込んでは消しを繰り返しまして……。そういう中で浮かんできたのが、シンデレラ(灰かぶり姫)なんです。

この楽曲は決して開放的なものではないし、何だか縛られた雰囲気がするもの。シンデレラって最終的には幸せになりますけど、その前に相当継母にいじめられているので、結構性格は歪んでいると思っていて。そんな彼女の歪みっぷりと、舞踏会に行くまでの流れにフィーチャーして、早く舞踏会に行ける日が来ないかなと思っているシンデレラの姿を歌詞にしました。

――途中のシャウトなど、歌声の魅力も存分に引き出されていますが、歌っていて特にお気に入りのフレーズはありますか?

古川 「謳えや 謳えや」「唱えや 唱えや」の部分は中々こういうことを言わないので楽しかったです。でも、改めて見返すと黒魔術みたいな表現ですね(笑)。反対に大変だったところは、サビ全般です。聴いているとリズミカルで良いじゃんと思うのですが、歌ってみると、どこに力を入れてどこで息継ぎをすれば良いのか分からなくて。作詞している時に気付けよ、という話なんですが、気付けなかった結果がこれです(笑)。

――それでは、収録も時間がかかった感じでしょうか?

古川 いや、他に大変だったのがあるんです。

――ではそれは後程聞くとして、『揺り籠とクローバー』ですが。

古川 はい! この曲です! 苦労したのは(笑)。 

――優しい歌い方と歌詞が印象的な楽曲ですが、どこが苦労されたのでしょうか?

古川 この曲は収録の直前まで歌詞が出来なかった上に、いざ収録が始まっても、何かが違う気がして、時間をいっぱい使いました。

アニメージュプラス編集部

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