• 歌い方は全て変えた。佐藤ミキが初の映画主題歌『東雲の空』を語る
  • 歌い方は全て変えた。佐藤ミキが初の映画主題歌『東雲の空』を語る
2021.11.04

歌い方は全て変えた。佐藤ミキが初の映画主題歌『東雲の空』を語る

佐藤ミキさん

2020年に、TVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』エンディングテーマとなった『名もない花』でメジャーデビューを果たした、歌手の佐藤ミキさん。繊細さと力強さを兼ね備えた「シルキーボイス」が魅力の彼女が、11月5日から公開される映画『シノノメ色の週末』の主題歌『東雲の空』を歌う。フジファブリック・金澤ダイスケ氏のアドバイスを受けて、これまで発表してきた曲とは歌い方を変えたという制作の裏話や、これまでの活動を振り返っての話を伺った、インタビューをお届けする。

――曲を作るにあたり、作詞の高橋久美子さんや、作曲の金澤ダイスケさん、編曲を担当された河野圭さんとはどんな話し合いを?

佐藤 今回、高橋さんと河野さんとは直接お話してはいないのですが、金澤ダイスケさんとはたくさんお話させていただきました。金澤さんにはデモの段階からディレクションで入っていただいて、「喋るように歌ったら良いよ」とか、「佐藤さんはこういう癖があるからこの曲ではこういう歌い方をした方が良いよ」など親身に教えていただきました。本番レコーディング前にもお時間をいただき、金澤さんの考えている『東雲の空』と私の考えている『東雲の空』の相違がないようにすり合わせもしてくださって……。

――その際にはどんなお話を?

佐藤 「この歌詞はこういう意味だからこういう表現が良いよね。だからレコーディングまでに表現の準備をしておこう」というお話をたくさんしてくださったんです。それを受けて私も凄く勉強になりましたし、何より、金澤さんがそこまで想いを込めて作ってくださった曲を歌えることが凄く光栄だなと思いました。

――本番レコーディングはいかがでしたか? 

佐藤 今までで一番レコーディングに時間がかかった曲になりました。1回録ってみて、それを聞いて、やっぱりメロディーを変えてみようということで録り直したりもしたので、出来上がった時は達成感がありました(笑)。時間をかけて丁寧に作ることが出来たなと思います。

――メロディーを途中で変えるのはよくあることなんでしょうか?

佐藤 私が録ってきた中では、当日に変えるというのは初めてでした。でも、上がっていたのを下げようなどという感じだったのでそこまで負担ではなく。思った時にすぐに行動に移せる金澤さんが凄いなと思いました。

――レコーディングで特に難しく感じたところは?

佐藤 じつは『東雲の空』は、今まで私がしてきた歌い方とは全く違った歌い方をしているんです。金澤さんからフラットに歌ってほしいというリクエストをいただいて、ビブラートやしゃくりなど自分の癖を全てなくして、ナチュラルに言葉そのものを伝えるような歌い方に変えたのですが、今までの歌い方から変えるっていうのは、すごく難しくて……。

――どのようにして癖をなくして?

佐藤 歌詞を朗読して、言葉を聞き取りやすくする練習もしましたし、私は子音が強くなる癖があるので、母音がもっと立つように母音で歌う練習をしていきました。意識していても、所々自分の癖が出てしまったりというのがあるので、そこをなくしつつ、でもそこに集中しすぎないで、歌詞の世界観を表現するのが大変でしたね。

――それは自分で練習法を考えて?

佐藤 金澤さんが、癖を取りたいんだったらこういう風にしたらいいよと教えてくださいました。

――歌っていて気持ちの入った歌詞はどこでしょうか?

佐藤 たくさんあるんですが、一番良いなと思っているのは「一人だと泣けない夜も~」のところですかね。映画も、主人公が今のままじゃいけないと思っているけど、強がって周りに頼れないというお話もあるので、そこは一番気持ちがのりました。

アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事