――今回の作業で、過去作での仕事が活きている部分はありますか。山井 そういうことでいうと『オッドタクシー』も長台詞が多い作品だったので、それに対しての映像の見せ方に関してはより良い形になっているかなと思います。あと一緒に作業をしているTeam Yoshiokaのメンバーは仲良しかつ本音でズバズバ言える関係なので、「そこ、間違ってるよ!」「すみません!」みたいなやり取りができるので、非常にやり易いですね(笑)。
――作中のお気に入りキャラはいますか?山井 んー……シュバルツ君かな? あと人外ならイカが好きですね、イカグッズを出してほしい(笑)。水族館で売ってるようなビニール製のキーホルダーが出ないかな。
――シュバルツのどういうところがお好きなんですか。山井 ザ・異世界転生キャラという感じで、橘同様にメタ発言があったりして、良いキャラ出してるなと。イカはゆるキャラで、歯並びがめっちゃ良いのが気に入ってます(笑)。
――では、本作の音楽に関してこだわられた部分は?山井 いわゆる異世界感を出す時は北欧的な音楽をお願いしているんですが、転生組のキャラ――神宮寺や橘たちの心情を表す場面にはステータス画面やレベルアップのポップアップが出たりとゲーム内の世界みたいな表現があるので、8ビットのゲーム音楽を彷彿させる音を入れてもらっています。
――他に原作の魅力にオンする形で監督独自の目線で注力していることはありますか?山井 自分はテロップが出るアニメが好きなので、原作のオノマトペ(擬音)を活かしつつ、独自のテロップ芸を入れているところがありますので、そこも楽しんでもらえると。
――作業の中で、コメディ作品ならではの苦労みたいなものはありますか。山井 コメディではあるのですが、作品を通して橘と神宮寺の成長を見せていかないといけないので、笑いの中にも二人の心情をしっかり描いていきたいと考えています。作中に二人それぞれの回想場面があるんですが、描写をそれぞれ変えていまして、特に橘の回想場面はこだわって作っています。シリーズ12話を通して観てもらって、その意図を理解して頂けたら、自分としては本望ですね。
――最後に作品を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。山井 アニメのエッセンスが加わることで、作品の面白さをより楽しく伝えられたら、と思っています。原作ファンは勿論、アニメで初めて触れる方にも口の筋肉が緩みっぱなしになるような作品になっていますので、宜しくお願い致します!
>>>『ファ美肉おじさん』キャラ設定・PVカットを観る(写真10点)(C)池澤真・津留崎優・Cygames /ファ美肉製作委員会