シリーズ累計発行部数400万部を突破した、桜日梯子による大ヒットボーイズ・ラブマンガ『抱かれたい男1位に脅されています。』。同作の人気エピソードを原作とした『劇場版 抱かれたい男1位に脅されています。~スペイン編~』が、10月9日より劇場で公開中。
5年連続で “抱かれたい男1位” だったベテラン俳優・西條高人(声:高橋広樹)と、その座を奪った新人俳優・東谷准太(声:小野友樹)。色々な試練を乗り越えつつも関係性を深めていた二人が、フラメンコを取り入れた二人舞台で共演することに。より良い演技を求めて情熱の国スペインへ飛び立った高人。二人はどうなるのか――? 今作で、いつも准太に押され気味の高人を演じる高橋広樹さんに、作品の魅力やキュンとしたシーンについて伺ったインタビューをお届けする。
──劇場版の制作が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
高橋 ただただビックリしました。お話を聞いた段階で思ったのは、アニメ化するにはまだ原作の巻数が足りていないじゃないかということ。だからてっきり総集編というか、TVアニメシリーズの総まとめ的なものを作るのかなと思ったんです。そしたらスペイン編を描くということだったので、「うわー、それは凄いな!」と思いましたね。
──スペイン編を原作や台本で読まれていかがでしたか?
高橋 スペイン編って邪魔が入らないんですよね。TVアニメシリーズでやったパパラッチ編などに比べたらとても幸せな展開で、幸せオーラに包まれながら楽しめる恋愛ストーリーだなと思いながら読んでいました。それにこのお話を通して、一緒に未来を歩く覚悟ができたというか、恋人からもう一歩飛び越えた関係になったなと思いましたね。
──確かにパパラッチ編は心が痛くなる展開でした。
高橋 展開的に辛いのはもちろん、芸能界の闇の部分にフォーカスが当たっていましたからね。そういう意味でも、スペイン編は非常に健全です。高人がスペインに行くのも、二人舞台「血の婚礼」のため、役作りのための武者修行なので、「なんて健康的な展開なんだ、安心安心」と思って見ていられました。
──恋敵であるアントニオが登場しますが、彼も陰湿な感じは一切ありませんよね。
高橋 あれだけ明るく、「俺は准太のことが好きだぞ!」「お前から奪い取ってやるぞ!」と言い放つ感じは気持ちいいですよね。ちょっとアツ過ぎて「少年誌か!」と思いましたけれど(笑)。
──TVアニメシリーズを含め、西條高人を演じるにあたってどのようなことを意識しましたか?
高橋 高人は完璧主義者でありながら、うぬぼれていることを自覚している結構珍しいタイプなんじゃないかなと思います。准太に対しても自分にはない才能や可能性を見出して、コンプレックスみたいなものを常に感じているのではないかなと。だから、テレビの取材シーンや卯坂さんと話している時の高人って割と自信満々の態度で相手にものを言っているんですが、そこを「勘違い野郎みたいには絶対にしないぞ」と思って演じていました。
――その自信満々な態度も、高人があえて見せている姿だと?
高橋 そうです。「しっかりと応対している役者・西條高人」という人物を、青年・西條高人が演じているのではないかと僕は思うんですよね。そうやって応対する時も、どこか本当には接していないんじゃないかという疑いを持ちながら演じていました。
(C)桜日梯子/リブレ 2021/DO1 PROJECT